阿遅速雄神社 

阿遅速雄神社は、大阪市鶴見区にある神社である。
阿遅高日子根神を主神とし、現在は草薙剣の分霊正一位八剣(やつるぎ)大明神を配祀する。往古は八剣大明神と称した。
旧郷社。「延喜式」神名帳に載る東成郡の同名社に比定される。
社伝によれば、天智天皇七年(668年)に熱田(あつた)神宮(現名古屋市熱田区)の神剣草薙剣を盗み出した新羅の沙門道行は、当地付近で暴風雨に遭遇したことから、神罰をおそれて神剣を投げ捨てた。
この神剣は一時当社に奉安され、やがて皇居に移送されたが、朱鳥元年(686年)熱田神宮へ返送されたという。
草薙ぎ剣の盗難事件については「日本書紀」「扶桑略記」「熱田宮旧記」などに散見するが、当社の祭神が出雲系の神であり、現社地付近の往古の地勢を勘案すると、その由緒は放出の地名説話に帰結すると思われる。近世には放出村の産土神。例祭日の一〇月二二日には熱田神宮より代表者が参拝し、同宮の例祭日六月五日には当社の代表が参拝する。境内の北東隅に菖蒲池がある。往時は七月九日の夏祭、現在は五月五日に菖蒲刈神事を行う。災難除けの菖蒲と伝える。境内の細砂は脚の病気に効験ありとする。境内には相殿社・大将軍社・稲荷社・護国社があり、樟の大樹は白竜大権現を祀る神木で、遠方からも望見できる。府の天然記念物。
神社境内にある道標は、元は放出街道と野田街道の交差点に建っていたが、現在は 阿遅速雄神社内で保存されている。天保15年(1844年)、先達の元七が発願し若中が奉賛したもの。
境内(正面鳥居右側)にお蔭灯篭がある。江戸時代、ほぼ60年周期で爆発的に流行した、伊勢参宮お蔭参りがあった。これに因み、街道筋には献灯されることが多かった。この1基は、現在大阪市内にただ一つ残るものである。
JR学研都市線放出駅下車、徒歩2分。



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