大安寺

布金山大安寺は、堺市堺区にある臨済宗東福派の寺院である。
応永元年(1394年)に後小松天皇の命により、徳秀士蔭(とくしゅうしいん)によって開かれた。
創建当初は、環濠内に位置し、寺伝では二町四方の寺域と六つの塔頭を有する大寺院だったと伝えられている。
慶長20年(1615年)大坂夏の陣の兵火に遭い、慶安年間(1648-52)に現在地に移転、再建された。
本堂(重要文化財)は、堺商人納谷(呂宋)助左衛門の総檜造りの旧宅の部材を再利用し、この地に移され間取りを変更して建てられた。
入母屋造り、本瓦葺きで桃山時代の豪商の屋敷の様子を現代に伝えている。
本堂内の柱には、松永久秀が「盈つれば缺ける」と柱に切り付けたと伝わる刀痕が残っている。
本堂内部四室の襖76面に描かれている障壁画は、桃山時代から江戸時代初期の堺の繁栄を伝える資料として重要文化財に指定されている。
鶴、百日紅、梅、檜、松、藤など豪華な彩色で狩野派の絵が描かれている。上段の間は、他と異なり、墨一色で、中国浙江省の西湖の風景が描かれている。
庭には、側面に虹のような模様が浮かび上がったため、明治天皇行幸の際に「虹の手水鉢」と名付けられた利休好みの名品や、利休が掘ったと伝わる時雨の井戸がある。
内部は、春と秋の堺文化財特別公開期間中に参観できる。
阪堺電気軌道阪堺線御陵前駅下車、徒歩8分。(Y.N)



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