不動山の巨石

不動山の巨石は、和歌山県橋本市杉尾にある。
不動山は金剛山地の一峰、神福山(792m)の南西約1㎞、大阪府(河内長野市)、奈良県(五條市)、和歌山県(橋本市)の三府県境から南西に開けた東谷川の南側に続く標高480mの尾根の突端に位置する。
不動山には古くから巨石群の存在が知られ、昔、役行者が葛城山から金峰山に橋を架けようとして石を集めた跡と伝えられ、巨石下には、不動明王、金剛童子、八大竜王が祀られている。
また、巨石に空いた穴に耳を当てると不思議な音が聞こえるため、平成8年には、環境省から日本の音風景百選に選ばれている。
巨石の南側には、楠木正成が腰かけたと言われる大楠公腰掛石がある。

江戸時代後期に刊行された「紀伊名所図会」には、次のように紹介されている。
不動山(ふどうさん)
杉尾村明王寺の後(うしろ)より登る事六町許(ばかり)にて、茂樹(もじゅ)枝をまじへ、峻嶺(しゅんれい)晝(ひる)暗し。
傴僂(くい)して登るべし。巓(いただき)に大石磊落(らいらく)として重畳(ちょうじょう)し、或は散置す。
葛城久米石橋の類(たぐい)なるべし。不動明王・金剛童子・八大龍王を祀る。

南海高野線林間田園都市からバスで橋本市民病院前下車、徒歩約100分。麓の明王寺横に駐車場があり、駐車場からは、635段の階段を上るルートと、まわり道のルートがある。






竜王(Naga)(佐和隆研編「仏像図典」)
水中に住み雨を呼ぶ魔力を持つと信じられる仮空の動物で、その成立はきわめて古く、すでに仏伝中にその造形を見る。
(中略)又法華経序品には八大竜王来りて仏法を聴することがあり、(後略)

八大竜王(はちだいりゅうおう)(日本大百科全書)
『法華経 (ほけきょう) 』が説かれたとき聴衆として参加した8種の竜王。
〔1〕難陀 (なんだ) (ナンダNandaの音写。「歓喜」の意)、
〔2〕跋 (ばつ) 難陀(ウパナンダUpananda「弟ナンダ」)、
〔3〕沙伽羅 (しゃがら) (サーガラSāgara「海」)、
〔4〕和修吉 (わしゅきち) (バースキVāsuki「九頭」)、
〔5〕徳叉迦 (とくしゃか) (タクシャカTakaka「多舌」)、
〔6〕阿耨達 (あのくだつ) (アナバタプタAnavatapta「無熱悩」)、
〔7〕摩那斯 (まなし) (マナスビンManasvin「慈心」)、
〔8〕優鉢羅 (うぱら) (ウトゥパラカUtpalaka「青蓮華 (れんげ) 」)をいう。
なお、「提婆達多品 (だいばだったぼん) 」によると、沙伽羅竜王の娘は8歳で即身成仏 (じょうぶつ) したという。
敦煌 (とんこう) 第249窟 (くつ) の天井画の九頭の竜は和修吉かもしれない。


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