伏拝王子跡

伏拝王子跡は、和歌山県田辺市本宮町にある史跡である。
京都を出発した熊野参詣の人々は、およそ260㎞、歩行12日前後でこの地にたどり着いた。
そして熊野三山参拝の最初の目的地である本宮が、遥か彼方の熊野川の中州に鎮座する光景を目の当たりにして、感動のあまり「伏して拝んだ」といわれている。
またこの王子には、熊野本宮を目前にしてにわかに月の障りとなり、参拝を断念しようとした女流歌人 和泉式部を、熊野権現が快く受け入れたといわれ、次の歌が伝えられている。
 はれやらぬ みにうきぐものたなびきて つきのさわりと なるぞかなしき (和泉式部)
 もろともに ちりにまじわるかみなれば つきのさわりと なにかくるしき (熊野権現)
境内には、和泉式部の供養塔と、13世紀に建てられた笠塔婆がある。
熊野古道沿いに展望台があり、そこから大斎原の鳥居を眺めることができる。
紀勢本線新宮駅からバスで伏拝口下車。


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