加太春日神社

加太春日神社は、和歌山市加太にある神社である。
江戸時代の「紀伊續風土記」によると、当初は天照大神を祀っていたが、中世に住吉社を合祀し、その後、日野左衛門藤原光福(ひのさえもんふじわらみつとみ)が、この地方を支配した嘉元年間(1303-1317)に、自身の祖先神である春日三社を合祀し、それ以降は春日神社と称するようになったと記されている。
現社殿は、羽柴秀長の家臣で和歌山城代をつとめた桑山重晴により、慶長元年(1596年)に創建された。一間社流造の檜皮葺で、屋根中央に突出する千鳥破風、軒先には湾曲して屋根と一体化した軒唐破風が付いている。
蟇股の彫刻は、雲に龍、竹に虎、宝珠、恵比寿、大黒天、迦陵頻伽(かりょうびんが)、貝、波に海老、菊花など多種多様である。
仏典に現れる想像上の鳥である迦陵頻伽は、上半身が人で下半身が鳥に表現されるが、蟇股の装飾に用いられるのは他に類例がない。
本殿は、昭和6年に国指定建造物となっている。
社伝によると、役行者が行場として友ケ島を開いた時、当社を守護神としたといわれ、そのため、聖護院門跡が山伏僧とともに毎年4月中旬に参拝している。5月20日には例祭の「えびまつり」が行われる。
南海電鉄加太線加太駅下車、徒歩10分。(Y.N)



TOP PAGE  観光カレンダー