史跡 櫛山古墳

史跡 櫛山古墳は、奈良県天理市にある。
櫛山(くしやま)古墳は行燈山(あんどんやま)古墳のすぐ東側に立地する全長155mの古墳で、通常の前方後円墳に短い方形部(造り出し)を付加したような特異な形状から、双方中円墳(そうほうちゅうえんふん)と呼ばれている。
昭和23年(1948)から奈良県教育委員会が実施した発掘調査では、後円部の墳頂から竪穴式石室と石棺の一部が見つかり、腕輪型石製品や合子(ごうす)、盤、壷型などの滑石(かっせき)製品、鉄製品などが出土した。
また東側の方形部頂上の平坦面では、白礫(はくれき)を敷いた特殊な遺構が見つかった。
昭和32年に国史跡に指定されている。
昭和63年(1988)に前方部北側で実施された発掘調査では、前方部を区画する掘割と外堤状の遺構が検出され、口縁を鋸歯(きょし)状に整形した楕円筒埴輪がまとまって出土した。
平成9年(1997)には、天理市教育委員会が前方部南西側の池渡堤(いけわたりづつみ)の護岸工事に伴う発掘調査を行い、池内から前方部基底部の葺石と埴輪列を検出した。
また墳丘基底部よりさらに下段にも墳丘を構成するしゃめんがあることもわかっている。
これらの調査結果から、櫛山古墳の築造時期は古墳時代前期後半(4世紀末)とみられ、柳本古墳群の中では比較的新しい古墳と考えられている。
なお、江戸時代には前方部が柳本藩の弓場になったといわれ、現状でも後円部に登る斜面が大きく削られている。



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