益田岩船

益田岩船は、奈良県橿原市南妙法寺町にある史跡である。
貝吹(かいぶき)山の連峰である石船山の頂上近くに所在する花崗岩の巨大な石造物で、昭和51年に奈良県の史跡に指定されている。
大きさは、東西の長さ11m、南北8m、高さ4.7mの台形で、頂上部と東西の両側面に幅1.8m、深さ0.4mの浅い溝状の切れ込みがある。
上部には1.4mの間隔をあけて東西に二つの方形の孔がある。孔は東西1.6m、南北1.6m、深さ1.3mで東西ほぼ同じ規模である。
この石造物について、弘仁13年(822)にこの地に築造された益田池の碑の趺(台石)とする説があり、頂部平坦面を90度回転させ横口式石槨とする(墳墓)説や占星台の基礎とする説、物見台とする説などがある。
用途は不明であるが、上部平坦面の溝や孔が高麗(こま)尺で計画され、花崗岩の加工技術が終末期の古墳と共通するなど、七世紀代の特色を持っている。
益田岩船の名称は、江戸時代の地誌類に見られるもので、この岩船が益田池に関連するものとの想定に基づく呼称であるため、現地案内板では「史跡 岩船」と表示されている。
近鉄南大阪線橿原神宮前駅からバスで南妙法寺町下車徒歩10分。




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