適塾

適塾は、大阪市中央区にある史跡である。
適塾は、江戸時代末期の1838年に洋学研究者緒方洪庵が開いた私塾である。
緒方洪庵は、備中の国に足守藩士の子として生まれ、15歳で大坂に出て中天遊に学んだあと、江戸で蘭学者坪井信道の門に入った。
28歳の時に、大阪瓦町で適塾を開き、1862年に幕府の奥医師として江戸に迎えられるまで、3000人に及ぶ塾生を指導した。
入塾者は全国から集まり、越前福井の思想家橋下佐内、慶應義塾を創設した福沢諭吉、近代的な軍隊制度を創設した大村益次郎、日本赤十字社初代社長佐野常民らが門下生に名を連ねている。
現在の建物は、緒方洪庵が1845年に両替商天王寺屋から購入したもので、築200年を経て現在に至っている。
当時の町家の姿を伝える木造2階建ての建物で、1階は教室や書斎、家族部屋などがあり、2階には28畳の塾生大部屋やヅーフ部屋がある。
ヅーフ部屋には、当時のオランダ商館長ヅーフの作成した蘭和辞書が残されており、塾生が辞書を競い合って使用した様子を知ることが出来る。
1941年に国の史跡となり、1964年に重要文化財に指定されて、現在は大阪大学適塾管理委員会が史跡の保存管理を行っている。
大阪市営地下鉄淀屋橋駅又は北浜駅から徒歩5分。京阪本線淀屋橋駅又は北浜駅から徒歩5分。(Y.N)



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