化野念仏寺

化野念仏寺は、京都市右京区嵯峨野にある浄土宗の寺院である。
「あだし」とは、はかない、むなしいとの意味で、また「化」の字は「生」が化して「死」となり、この地に再び生まれ化る事や極楽浄土に往生する願いなどを意図している。
化野は、鳥辺野、洛北の蓮台野とならぶ平安時代以来の葬送の地として知られる。
初めは風葬であったが、後世土葬となり人々が石仏を奉り、別離を悲しんだ。
寺伝によると、811年に弘法大師空海が五智山如来寺を開創し、野ざらしになっていた遺骸を埋葬したと伝えられる。
その後、法然上人が念仏道場を開き、念仏寺になったという。
本尊は阿弥陀仏坐像で、参道の釈迦、彌陀二尊の石仏とともに鎌倉彫刻の秀作とされている。
現在の本堂は、1712年に岡山から来た寂道和尚により再建された。
境内の八千体を数える石仏、石塔は化野一帯に葬られた人々のお墓で、山野に散乱していたものを、明治中期に地元の人々の協力で集めたものである。
釈尊宝塔説法を聞く人々になぞらえ配列安祀されている。
毎年、8月23日、24日の地蔵盆には、この無縁仏の霊にローソクをお供えする千灯供養が行われる。
JR東海道線京都駅から京都バス「嵐山・清滝」行きに乗車して「鳥居本」下車、徒歩5分。



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