足代安産地蔵菩薩は、大阪府東大阪市布施駅南にある地蔵である。
記録によると、この石仏は少し北の、もと東足代北町の聖源寺(明治5年に廃寺)境内やその付近の辻などに祀られていたが、昭和5年5月に始めて現在地に立派な祠堂を建立し堂内に丁重に安置された。
古くから安産地蔵の名で広く親しまれ、深い信仰を集めてきた。
材質は、赤みがかった安山岩製高さ60cm、幅36cm、奥行き30cmの自然石の表面に右手に錫状、左手に宝珠を持ち、直径23cmの光背を有する像高41cmの頭でっかちの地蔵立像が蓮座上に薄肉に彫出する。
室町時代末期の作品で、胸間連珠の瓔珞(ようらく 首飾り)が刻まれている。
刻銘は、中央の立像の両脇に向かって右に「永禄五壬戌十月二十四日」(西暦1562年)、また向かって左には、「河内国渋川郡足代庄衆生」と印刻されている。
昭和43年に東大阪市有形文化財(彫刻)に指定された。すぐ北側には、「足代だんじり」が展示されている。
近鉄大阪線布施駅下車、徒歩2分。