穴地蔵

穴地蔵は、大阪府大阪狭山市大野西の天野街道沿いにある。
堺市、河内長野市と接する大阪狭山市の最南端に位置する石地蔵である。
花崗岩製で道標を兼ね、光背の右側に「右ハあまの道(天野道)」、左側に「左ハよつくのき道(四鉤樟道)」、下部に「北ハさかい(堺)」と刻まれている。
四鉤樟(よつくのき)とは、河内長野市楠町の地名である。楠町に真言宗の盛松寺という寺院がある。
盛松寺の寺伝によると、大同3年(808年)弘法大師が槇尾山に修行に行く途中、この地で疫病に苦しむ村民の話を聞いて祈祷をしたところ、その地に樟が生えてきた。
樟は、樟脳の原料で疫病、邪気を取り除く霊木として知られる。その後、樟は4本の枝に分かれて釣瓶を吊り下げたように繁ったので、「四鉤樟(よつるくすのき)」と呼ばれ、これが地名となった。
この地名が訛って「四鉤樟(よつくぬぎ)」「四つくの木」「四通(よつ)」「四樟(よつ)」「与通(よつ)」と称されるようになり、盛松寺は「四通(與津)のお大師さん」と呼ばれている。

穴地蔵は、目、鼻など身体中すべての穴の病気に霊験がある地蔵として、遠方からも参詣者が多く訪れている。
また近年は子宝を授かる地蔵として信仰を集めている。
南海高野線金剛駅からバスで大野口駅下車、徒歩17分。



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