安養院は、和歌山県高野山実相院谷にある真言宗の準別格本山である。
本尊は、重要文化財の金剛界大日如来坐像で、霊宝館に寄託されている。
大火によって資料の多くが焼失しているため、創建は不明である。
鎌倉時代末期に融通念仏宗中興の祖である法明上人が、安養院を道場としたと言われる。
境内のお堂は、法明がここで念仏修行を行ったことから、「法明堂」と呼ばれている。
弘治年間(1555-58)に、当院16代勢尊(せいそん)が毛利元就と師檀契約を結び、毛利輝元から毛利家宿坊の一札を受け、以降毛利家の菩提所となった。
本堂には、毛利家歴代の位牌が安置されている。
現在、当院境内に房舎のある準別格本山金蔵院には、木造愛染明王坐像(国重要文化財)が残されている。
南海電鉄高野線高野山駅からバスで千手院橋下車、徒歩5分。