阿保神社は、大阪府松原市にある神社である。
阿保の地名は、平安初期に平城天皇の皇子の阿保親王が干害の地に親王池などを作り善政をされた阿保親王住居跡に親王社が建てられ、やがて阿保村と呼ばれた。
阿保神社は、本殿に菅原道真公を祀り、本殿右側に阿保親王と厳島姫神(いつくしまひめがみ)(弁財天)を祀る。
本殿は、拝殿の奥にある覆屋の中にある一間社流造りで側面も一間の浜縁付で上に古風な蟇股がある。また木鼻には渦文が二つ、庇木鼻には古い竜の彫り物があり、江戸中期造りを残す建築である。
神社の創建は、大宰府で薨去された道真公のため、各地に天満宮が建立された頃(10世紀中頃)といわれている。
祭神である道真公が、大宰府に行く際、伯母覚寿尼のいる土師寺に立ち寄られた時に、阿保の地で休息された由来で祀られたと伝えられている。
本殿の裏には、高さ16m、幹回り4.5m根株張6mにも及ぶ神木の楠がそびえ立っていて、市内三名木にあげられている。
神社南側には、「阿保の地と海泉池(かいずみいけ)」の石碑が建てられている。
阿保親王は、この地に稚児ケ池(ちごがいけ)を作ったと伝えられる。
海泉池は、丹比野(たじひの)の谷筋を堰き止めた溜池で、立部の阿湯戸池から上の池、今池、小治ケ池、樋野ケ池、寺池、稚児ケ池と不整形な池が一列に並ぶ群池である。
海泉池の名称は、地底に湧水があり、大きい池を海にたとえ、その池を誉めたたえた名である。
近鉄南大阪線河内松原駅下車、徒歩12分。