史跡・名勝 飛鳥京跡苑池

史跡・名勝 飛鳥京跡苑池は、奈良県明日香村字岡にある。
飛鳥宮跡中心部(内郭)の北西に位置する飛鳥時代の庭園遺構で、天皇が祭祀や饗宴を行ったと考えられている。

大正5年(1916)に石造物二石を発見、平成11年(1999)に石造物出土地点を発掘調査し、南北約250m、東西約100mの広大な苑池を発見した。
2003年に国史跡に指定されている。

すぐ西には飛鳥川が北流し、飛鳥川をはさんで西岸には川原寺が位置する。
門を構えた区画内に渡り堤で仕切られた石組護岸の北池と南池などがある。
南池には噴水構造の石造物がおかれ、中島が築かれていた。石造物と中島の周囲には桟敷状の施設が設置されていたと考えられている。
北池の北東には湧水・導水施設が確認された。
苑池の造営時期は斉明朝頃とみられ、天武朝頃には改修されているようである。
池の中にある水位調整用の水路からは、管理する役所と見られる「嶋宮(しまのつかさ)」や薬園の存在を推測させる「委佐俾(わさび)」といった文字が記された木簡が出土している。
「日本書紀」天武14年(685)11月条の「白錦後苑(しらにしきのみその)」あるいは持統5年(691)3月条の「御苑(みその)にあたるものと考えられる。
当地の案内板には、復元イラストが描かれている。

近鉄吉野線飛鳥駅からバスで岡戎前下車、徒歩5分。



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