中将倉(中将姫旧跡)は、和歌山県橋本市赤塚の去年川沿いにある。
中将姫は藤原豊成の娘で、成長するにつれ、容姿端麗で英知に富んだことから継母の照夜の前に命を狙われた。
家臣の松井嘉藤太は、照夜の前の命で中将姫を斬ろうとしたが、可憐な姫の姿に心を打たれ、妻のお松と共にこの地に草庵を結んで、隠遁生活を送った。
2年3か月後、狩りに来て山路に迷った父の藤原豊成と、中将姫が涙の再会を果たした場所である。
坂の上には、姫の法名(法如比丘尼)にちなんだ法如池があり、十三仏の釈迦如来が祀られている。
中将倉と彫られた石碑には、次のように刻された銘板がある。
中将倉にさみだれ過ぎて
笹百合香る運堂
糸の細道露踏みゆけば
姫の読経か河鹿の声が
かなし去年川青葉かげ
ひばり山小唄より
JR和歌山線隅田駅下車、徒歩約40分。
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