大明王院は和歌山県高野山蓮花谷にある真言宗の準別格本山である。
本尊は空海直筆と言われる大聖不動明王画像である。
平安時代の延久年間(1069-74)武蔵国三光寺から道雲大徳が、一幅の不動明王画像を持ち来った。
「三漢字の本尊」と呼ばれており、画像天部には空海直筆の不動尊三字がある。
大聖不動明王は秘仏であるため、厨子にはお前立が祀られている。
別名「芝の坊」と呼ばれている。かつては、明王院と称したが、明治12年(1879)大明王院と改号した。
開基は、実應(じつおう)上人で、摂津守源義家の子、後冷泉天皇の護持僧として知られている。
当院は、歴代の江戸町奉行の菩提寺で、奥の院の参道の大岡越前守供養塔を管理している。
武蔵岩槻藩主大岡忠光、摂津高槻藩主永井直清、佐賀藩鍋島家の代々の位牌が安置されている。
寺宝として漢書(周勃伝残闕、紙背六種火壇図)一巻(重要文化財)、不動明画像(智証大師筆)、良井僧正作不動尊像などを所蔵している。
当院は、準別格本山本願院の名跡を有している。