出立王子跡

出立王子跡は、和歌山県田辺市にある県指定史跡である。
出立王子(でだちおうじ)は、熊野九十九王子社のひとつで、田部(たべ(たなべ))王子とも呼ばれた。
古くから熊野詣の人々の信仰を集め、藤原宗忠の日記「中右記」には、天仁2年(1109年)の熊野詣の途中、宗忠一行がここへ参拝したことが記されている。
出立はこの地域の古い地名で、「出立ちの松原」「出立ちの清きなぎさ」などと万葉集に読まれており、紀伊名所図会には次の万葉歌が載せられている。
我が背子が つかひ来むかと いでたちの この松原を 今日か過ぎなむ (万葉集巻九)
熊野参詣の道は、ここから中辺路と呼ばれる山沿いの道となる。
かつては、王子社の前に広がる出立ちの浜で塩垢離をしたことが、「後鳥羽院熊野御幸記」に記されている。
JR紀勢本線紀伊田辺駅からバスで江川大橋下車、徒歩2分。


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