同聚院は、京都市にある臨済宗東福寺派に属する東福寺の塔頭の一つである。
東福寺の寺地一帯は、平安時代中期に藤原忠平が法性寺(ほっしょうじ)を建立した所で、寛弘3年(1006)には、藤原道長(966-1027)が40歳の賀に当たって、五大明王を安置する五大堂を境内に造営した。
その後も、藤原氏が法性寺の造営に力を入れたが、鎌倉時代初期には衰微し、その跡地に九條道家が東福寺を建立したのである。
同聚院(どうじゅいん)は、文渓元作が、その師 東福寺124世住持 琴江令薫(きんこうれいくん)を開山として、文安元年(1444)に建立した。
本堂に安置されている本尊 不動明王坐像(重文)は、旧法性寺 五大堂の本尊で、他の四明王像は失われたが、本像だけは法性寺の遺物として維持されてきた。
不動明王坐像は、仏師 定朝の父 康尚(こうしょう/こうじょう)の作品で、像高265cm、憤怒相の中にも優美さをたたえた藤原美術の代表彫刻の一つである。
夢の中で藤原道長が不動明王から「土方」(下記写真参照)の印を授かったことから、
古くは土地の守護を示す「土方(どりき)不動」、
十万の眷属を従えて衆生救済をする「十万(じゅうまん)不動」、
十方遍く不動の力を照らす「十方(じっぽう)不動」などと称され、
火除をはじめ厄除けの霊験あらたかな不動尊として尊崇されている。
毎年二月二日に「土方」の字を書いた「屋守護札」が配布される。
境内には、モルガンお雪の墓(五輪石塔)がある。雪は祗園の芸妓からアメリカの富豪夫人となり、明治のシンデレラと呼ばれた。
JR奈良線、京阪本線東福寺駅下車、徒歩10分。
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