道明寺天満宮は、大阪府藤井寺市にある神社である。
菅原道真ゆかりの神社で、古墳造営など土木技術に長じた土師氏の氏神として、古くは土師神社と呼ばれた。
正面階段を上がると、門前左側に「土師窯跡」の石碑がある。
日本書紀によると、土師氏の祖先 野見宿禰は、垂仁天皇の時、生きた人間に代えて埴輪を墳墓に埋めるように進言し、その功により土師の姓とこの地を与えられた。
現在の祭神は、菅原道真公と天穂日命(あめのほひのみこと)、道真公の叔母覚寿尼(かくじゅに)である。
菅原道真は、元慶8年(884)に道明寺に長期間滞在し、5部の大乗経を写したほか、大宰府に左遷される前に叔母覚寿の居たこの地に立ち寄っている。
菅原道真の遺品として、銀装革帯(ベルト)や青白磁円硯(せいはくじえんげん)などの平安時代の美術工芸の代表作が伝えられており、国宝に指定されている。
広い境内には、約80種800本の梅林があり、梅の名所として知られるほか、三ツ塚古墳周濠から出土した修羅の復元品が展示されている。
近鉄南大阪線道明寺駅下車、徒歩5分。参拝者用の駐車場がある。
うそかえ祭は、菅原道真が大宰権帥に左遷された翌年の延喜2年(902年)正月七日自ら悪魔祓いのお祭りを行った時、寒中であるのに無数の蜂が出て参拝者を刺して悩ました。
この時一群のうそ鳥が飛来して、たちまち蜂を喰いつくして人々の危難を救ったので、道真公の仁徳の感応であるとして、この神事をうそかえ祭と称え、道真公没後一千有余年にわたって伝わっている。
また近年は、昨年ついた「うそ」を神前に詫び「うそ」を「まこと」に替えるともいわれている。
境内では、神社から受けた袋を参拝者が両手で高く挙げ、「かえましょう かえましょう」と唱えて、多くの人と交換する姿が見られる。
例年1月25日の午前11時と午後3時に神事が行われる。