藤ノ木古墳

藤ノ木古墳は、奈良県斑鳩町にある古墳で国史跡に指定されている。
6世紀後半の築造と推定されており、墳丘は直径約50メートル、高さ9メートルの円墳で、横穴式石室がある。
1985年に発掘調査が開始され、南東方向に開口する全長13.95mの両袖式の横穴式石室で、玄室の奥壁近くに全体を朱に塗られた刳抜式家形石棺が発見された。
石室内からは、世界でも類例の無い装飾性豊かな「金銅装透彫鞍金具」に代表される馬具のほか、武器や土器等の遺物が出土し、一躍世界からも注目されることなった。
1988年には、ファイバースコープ調査を経て開棺調査が実施された。石棺内部は未盗掘で、二体の人物が埋葬当時の状態で、合葬されていることが明らかとなった。
副葬品は豪華で、被葬者の権力を示す金銅製の冠や履などの金属製品のほか、玉纏太刀(たままきたち)や剣、銅鏡、銀製空玉やガラス製玉などが出土している。
被葬者については諸説あるが、特定されていない。出土品は国宝に指定され、南側300mの所に建てられた斑鳩文化財センターで、石棺や副葬品のレプリカが展示されている。
JR大和路線法隆寺駅から、「法隆寺門前」行きバスで終点下車徒歩10分。斑鳩文化財センターには駐車スペースがある。(Y.N)



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