藤白塔下王子跡

藤白塔下王子跡は、和歌山県下津町の熊野古道沿いにある。
藤原定家の日記、建仁元年(1201)10月9日条に見える王子社で、「塔下」は、峠の当て字といわれている。
藤原頼資(よりすけ)の日記、承元4年(1210)4月25日条では「道塚」王子と記されている。
この王子社は、明治時代に橘本(きつもと)王子社と共に、橘本王子神社(現、橘本神社)に合祀された。



地蔵峰寺

藤白塔下王子跡のすぐ北には、地蔵峰寺がある。
本堂前の案内板には、次のように記されている。
重要文化財
  地蔵峰寺本堂
     昭和四十九年五月三十一日指定
  石造地蔵菩薩坐像
     大正六年四月五日指定
地蔵峰寺は海南市下津町橘本に所在し、熊野古道の藤白峠をこえた標高二九一mの高所にある。
本堂は、桁行七.六m、梁間八.〇m、寄棟造本瓦葺で、室町時代中期頃の建立と考えられている。禅宗様式の濃厚な優れた建築技法を示している。
昭和五十一年から昭和五十三年にかけて解体修理が行われ、設立当初の姿に復された。
本尊の石造地蔵菩薩坐像は、総高三.一メートル余りの大きな地蔵尊で、光背の銘には「元享三年大工薩摩権守行経」とある。
製作の優秀さ、雄渾な銘大きさなど日本有数の石造地蔵菩薩である。
   海南市教育委員会
     地蔵峰寺



御所の芝(熊野路第一の美景)

御所の芝は、地蔵峰寺の裏手にある。
当地からの和歌浦方面の眺めは素晴らしく、応永34年(1427)9月足利義満の側室 北野殿の熊野参詣に随行した僧 実意(じつい)は
「こまやかな風情は絵に描きとどめがたい。いくら眺めても飽きない島々の景色だ」と日記に書いている。
北野殿は気に入って、昼食抜きで景色を眺めていた。



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