福智院

福智院は、和歌山県高野山の五ノ室谷にある寺院である。
現在の建物は明治21年(1888年)の火災後に再建されたもので、行人方の福智院に聖方の覚証院、一心院谷の行人方の福生院が合併してできた寺である。
本尊は愛染明王である。
寺名は、愛染明王が「幸福」と「智恵」を授けてくれることから、福智院となったといわれている。
下野守師季の子の覚印阿闍梨が、平安時代に創建した。兄の永厳僧都が亡くなって以来、官途の望みを絶ってこの寺を建立したといわれる。
ある年に、大塔に尾上の鐘を当山から寄進したが、この鐘が尾上に帰ろうと鳴り響くので、元に返して尾上明神の神宝となった。
その後、尾上明神社から謝恩のためその鐘の形を釜に鋳て、当院に納めた。この釜は「尾上の釜」と呼ばれている。
境内には、重盛三玲が作った3つの庭園があり、高野山唯一の天然温泉が湧き出ている。
南海高野線高野山駅からバスで浪切不動前下車、徒歩3分。参拝者用の駐車場がある。


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