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源九郎稲荷神社は、奈良県大和郡山市にある。
境内の案内板には、次のように記されている。(一部加筆)
源九郎稲荷神社略記(社伝)
奈良県大和郡山市洞泉町十五番地
祭神
宇迦之御魂神(保食神 うけもちのかみ)
源九郎稲荷大明神
沿革
歌舞伎・文楽「義経千本桜」でおなじみの「源九郎狐」(白狐 びゃっこ)を神の使いとしています。
今より八百年前(鎌倉時代)、源九郎判官義経は、兄頼朝(鎌倉殿)と協力し、源氏に勝利をもたらしました。
しかしその後、義経は兄頼朝と仲たがいをし、奈良の吉野山に追われました。
その逃げる道中、白狐は義経と共にあり、義経を護り続けました。
義経は白狐と別れの時、旅の無事を感謝して自分の名前「源九郎判官義経(みなもとのくろうほうがんよしつね)」の「源九郎(げんくろう)」を与え、「白狐源九郎」として名乗ることを許したそうです。
時は経ち、天正十三年(一五八五年)豊臣秀長が最も信頼する、長安寺村(現大和郡山市 長安寺町)の宝誉上人の進言により、この白狐を築城の守護神としました。
その後、歴代の郡山城主・町民たちの厚い信仰は受け継がれていき、今では毎年桜の満開の時に行われる「お城まつり」の一環として「時代行列」とともに行われる、「白狐渡御」の行列を町全体で盛り上げています。
当社の祭神は、万民の生活上一日も欠かせない五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・厄除開運・交通安全・産業発展の守護神であって、あまねく世人の崇敬するところであります。
祭事
元旦祭 一月一日
月次祭 毎月一日
白狐渡御 お城に桜が咲く頃
夏越しの大祓い 六月三十日
秋の火焚き祭り 秋の吉日
大とんど 十二月三十一日 (以下略)
人形浄瑠璃 文楽 時代物の三大名作の一つとして知られる「義経千本桜」河連法眼館の段では、「狐忠信」のせりふが次のように語られる。
其忠信に成りかはり、静様の御難儀を救ました御褒美と有って 勿体なや畜生に 清和天皇の後胤 源九郎義経といふ 御姓名を給わりしは 空恐ろしき身の冥加(中略)
まだせめてもの思ひ出に 大将の給はつたる 源九郎を我名にして 末世末代呼るる共(中略)大和国の源九郎狐と云伝。
(出典 竹田出雲 並木宗輔 浄瑠璃集 新日本古典文学体系93 1991年)

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