浜ノ宮王子社跡(熊野三所大神社)は、和歌山県那智勝浦町にある史跡である。
浜ノ宮王子社は、熊野九十九王子のひとつで、駐車場わきには、中辺路、大辺路、伊勢路の分岐点を示す「振分石」の碑がある。
紀州藩儒者榊原篁州の「談苑」によると、振分石は300年毎に建て替えたと記され、現在の板碑は万治元年(1658年)に建立されたものである。
かつては、「渚の宮」と呼ばれ、那智山参詣前に海水で身を清める潮垢離の聖地で、北へ向かうと熊野古道曼荼羅の道、大門坂をへて熊野那智大社に至る。
祭神は、家津美御子大神、夫須美大神、速玉大神で、大山祗命坐像、彦火々出見命坐像、天照大神坐像などが奉納されている。
本殿は、三間社流造、檜皮葺で、慶安元年(1648年)に建立された。
JR紀勢本線那智駅下車、徒歩3分。(Y.N)