橋杭岩(はしぐいいわ)は、和歌山県串本町にある奇岩群である。
幅15m、長さ約900mにわたって橋脚のような巨岩が、串本から紀伊大島に向かってまっすぐに並んでいる。
これは、地下から上昇したマグマが泥岩層に入り込んで固まった後、やわらかい泥岩層が波に浸食され、かたい石英斑岩の部分だけがあたかも橋の杭だけが立っているように残ったものである。
海岸に散在している岩は、橋杭岩が壊れたかけらで、巨大地震による津波で陸側に運ばれたものと考えられている。
その昔、弘法大師と天邪鬼が賭けをして、天邪鬼に橋を架けさせたが、疲れた天邪鬼が鶏の声をまねて鳴いたため、大師は夜が明けたと勘違いし、橋造りを中止したという伝説も伝わっている。
橋杭岩は、吉野熊野国立公園内にあり、国の名勝、天然記念物に指定されている。
JR紀勢本線串本駅下車、徒歩20分。道の駅「くしもと橋杭岩」があり、無料駐車場を利用できる。