橋本駅前万葉歌碑

橋本駅前万葉歌碑は、和歌山県橋本市にある。
万葉時代の宮廷人たちは、紀伊国に深い憧れを持っていたといわれる。
大和には海がないため、黒潮踊る紀伊国の風景には殊の外感動することが多かった。
万葉集の中には橋本に関する和歌が10首収められており、橋本市内各地に万葉歌碑が建立されている。
南海高野線及びJR和歌山線の橋本駅前には、次の歌碑がある。

白栲(しろたへ)に にほふ信土(まつち)の 山川に
 わが馬なづむ 家恋ふらしも  作者不詳 巻7-1192
(意味)信土山の川で 私の乗る馬が行き悩んでいる(難渋している)。家人が私を思っているらしい。

右側の歌碑説明文には、次のように記されている。
第8回橋本万葉まつり と併せて
JR和歌山線全線の開通百周年を記念し
大阪大学名誉教授 甲南女子大学名誉教授 文化功労者
文学博士 故犬養孝先生の著書「紀ノ川の万葉」より
その遺墨を刻し 郷土のためにこれを建つ
 2000年11月 第8回橋本万葉まつり実行委員会

紀ノ川の万葉の文章は次のとおりである。
こんにちは草ぼうぼうになった古い小道をくだると、
土地の古老らが神代の渡り場と称している落合川(真土川)の渡り場に出る。
ふだんは水の少ない涸川(かれがわ)だから、
大きな石の上をまたいで渡るようになっている。
ここがおそらく古代の渡り場であったろう。




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