橋本市あさもよし歴史館

橋本市あさもよし歴史館は、和歌山県橋本市にある社会教育施設である。
橋本市内の古墳や遺跡などから出土した考古資料を扱っている。
考古資料を整理して、図や写真などに記録するとともに、保存して次代に伝えることを目的に設置された施設である。
1階には、事務室、図書室、収蔵室があり、2階には、展示室、研修室、遺物整理室、調査研究室がある。
これらの資料の調査・研究をはじめ、その成果を展示して文化財の活用に努めている。

「あさもよし」は、紀伊国を詠んだ万葉歌にしばしば用いられることばで、大和国から紀伊国への入り口にあたる真土山でも8首のうち3首の歌に詠み込まれている。
「あさもよし」は「麻裳よし」と記され、かつて紀伊国は麻で作られた裳(表袴(おもてはかま))の特産地であったと言われることから、あさもよしは、地名「紀」(紀州、紀人、紀伊国)にかかる枕詞(まくらことば)とされている。
   あさもよし 紀人羨(きひととも)しも、亦打山(まつちやま) 行き来(く)と見らむ 紀人羨しも
                             調首淡海(つきのおびとおうみ) 大宝元年(1-55)
大宝元年(701年)、持統上皇の紀伊国行幸に付き従った調首淡海の歌で、紀伊路の行き帰りに見える真土山、この真土山のある紀伊の人がうらやましいと歌っている。
橋本市は、かつての飛鳥や奈良の都から紀伊国へ足を踏み入れる最初の地であり、紀伊国を導く「あさもよし」のことばにふさわしいところであるため、平成18年4月に、古代のこの地域の歴史研究、資料の保存、展示を目的とするこの施設が、「あさもよし歴史館」と名付けられた。

平成29年6月21日から9月16日まで企画展「陵山古墳とその時代」が開催された。
平成29年7月15日には企画展シンポジウム「陵山古墳とその時代-陵山古墳の謎を読み解く」が橋本市教育文化会館で開催された。

平成29年3月31日まで企画展「土地に刻まれた歴史はしもと」が開催された。
弥生時代の血縄遺跡、市脇遺跡などから出土した壺や甕が展示された。
展示品の中には、当時の調理に使われた石皿と叩き石や、石包丁なども含まれており、弥生時代の人々の生活の様子が伺える。
2月25日午後1時30分から3時には、橋本市文化財保護審議会の冨加見泰彦委員による講演会「弥生時代のはしもと」が開催された。

平成30年3月17日には、万葉植物研究家山本晃氏の万葉の真土峠散策が行われた。

JR和歌山線紀伊山田駅下車、徒歩約10分。来館者用の駐車場がある。



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