姫路城は、兵庫県姫路市本町にある平山城である。
日本で現存する最大の城郭建築で、国宝(昭和26年)、世界文化遺産(平成5年)に指定されている。
元弘3年(1333年)に播磨国守護 赤松則村(円心)が、姫山に砦を築いたのが姫路城の原点で、その子貞範が城塞としての形を整えて居城とした。
天正5年(1580年)羽柴秀吉が播磨に侵攻し、天正8年(1580年)には、黒田官兵衛孝高(よしたか)が、城を秀吉に献上した。
慶長5年(1600年)関ケ原の戦いの論功により徳川家康の女婿池田輝政が入城し、慶長14年(1609年)5重7階の連立式天守を築いた。
明治43年から明治の大修理、昭和31年から昭和の大修理、平成21年から平成の修理がそれぞれ行われ、平成27年3月に大天守の保存修理が終了した。
姫路城の建造物は、わが国の城の建造物としては群を抜いて多く、国宝として大小天守4棟と渡櫓(わたりやぐら)4棟の計8棟、重要文化財として櫓16棟、渡櫓11棟、門15棟、塀32棟の計74棟がそれぞれ指定を受けている。
天守閣は連立式で、大天守、西小天守、乾(いぬい)小天守、東小天守の大小四つからなり、特に大天守は、外観5層、内部7階、高さ33mで、現存天守としては最大規模である。
城壁は、白漆喰総塗籠(しろしっくいそうぬりごめ)と呼ばれ、漆喰(消石灰に糊を混ぜた壁塗りの材料)で木地が見えないように覆い塗られている。
唐破風、千鳥破風の屋根が幾重にも重なる荘厳な姿はシラサギが羽を広げて飛び立つ姿に似ているところから、白鷺城とも呼ばれている。
その他の見どころは、折廻(おりまわし)櫓、井郭(いぐるわ)櫓、帯の櫓、帯郭(おびぐるわ)櫓、太鼓櫓、化粧櫓、イロハの記号のついた櫓や門、菱の門などがある。そのうち「るの門」はトンネル式の埋門(うずみもん)である。
西の丸にある通称「百間廊下」は、他の城には見られない独特のものである。櫓と渡櫓をつなげたもので、廊下の内側に20余りの部屋がある。
スマートフォン及びタブレット端末で利用できる「姫路城AR」をダウンロードして、敷地内のARマーカーサインにかざすと、往時の様子の映像を見ることが出来る。
JR山陽新幹線、山陽本線、山陽電鉄姫路駅下車、徒歩15分。来訪者用の駐車場がある。