法明寺は、大阪市東成区にある浄土宗の寺院である。
当寺は、花園天皇文保2年(1318年)法明上人の創建である。
上人は、弘安2年(1277年)当地に生まれ、高野、比叡両山に上って、真言の秘法、天台の教観を極めたが、末世の凡夫生死出離の要諦は浄土の法門、弥陀の本願による外なし、と感じ念仏三昧に意を決し、故里の当地に帰り、両親菩提のための草庵を結んだのが、法明寺の創りである。
上人は、後醍醐天皇の御代、良忍上人によって創められた融通念仏宗の大念仏寺を再興し、後、当寺に隠棲し、長瀬北蛇草で荼毘に付された。
寺は、戦国時代に荒廃し、慶安元年(1648年)浄土宗の僧善誉夢白が再建し、寛文3年(1663年)京都知恩院末となった。
なお、境内左手の墓地中央附近に四層の石塔が2基あり、二羽の雁夫婦を葬ったと伝えられる「雁塚(かりづか」)と伝えられている。
大阪市営地下鉄千日前線新深江駅下車、徒歩10分。