法然上人御廟は、京都市東山区知恩院境内にある。
浄土宗の開祖、法然(1133-1212)は、美作国久米(現、岡山県久米郡)の出身で、15歳から比叡山へ入り、出家修行生活を送った。
法然房源空と名乗り、43歳で「専修念仏(南無阿弥陀仏と唱えると極楽往生できる)」を広めようと、比叡山から出て吉水を布教活動の拠点とし、禅房で示寂(しじゃく)した後、御廟が作られた。
御廟には、法然上人の御遺骨が奉安されている。方三間の宝形造本瓦葺きで、周囲には唐門のある玉垣がめぐらされている。
現在の廟堂は、慶長18年(1613年)常陸国土浦城主、松平伊豆守の寄進を得て改築されたもので、京都府の文化財に指定されている。
廟堂の周囲には、「雲に龍」「霧に鳳凰」「梅に鶯」「雲に麒麟」「松に鶴」「桜に鳥」「牡丹に鳳凰」など、桃山様式の華麗な彫刻が施されている。
参拝者は、隣接する拝殿から参拝する。