本覚院

本覚院は、和歌山県高野山の千手院谷にある真言宗の別格本山である。
本尊は、智証大師作の不動明王像(秘仏)である。
約1200年前の高野山開創時に、弘法大師空海のもとに地蔵菩薩があらわれ、空海がそれを感得して自らが六地蔵菩薩を彫りこの地に祀ったといわれている。
平安時代の建久年間(1190年)に、歌人「待宵小侍従(太皇太后宮小侍従)」の願いにより、高野山に登った行空上人(革上人)がこの地で読経を続けたところ、地蔵菩薩が現れ、「汝、此処に住せよ」と告げられ、庵を結んだ。
開基行空上人が十二院を建立し、常に法華経を講じたことから「講坊」と呼ばれた。また開基の俗称から「革坊」とも称された。
行空上人は、今昔物語集巻第13に一宿上人として描かれ、92歳で亡くなるまでに法華経を三十余万部読誦したといわれる。
その後、戦国武将稲葉一鉄の流れをくむ大分・臼杵藩の稲葉家の菩提所となり、元禄年間に太皇太后宮小侍従の戒名に因み、講坊を本覚院と改称した。
堂内には、狩野派の絵師による襖絵が飾られ、高野山七福神の大黒天と弁財天が祀られている。
現在当院が名跡を持つ西生院(さいしょういん)には、国の重要文化財となっている絹本着色恵果阿闍梨像一幅が伝わっている。
南海高野線高野山駅からバスで、高野警察前下車、徒歩3分。


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