法輪寺

法輪寺は、奈良県斑鳩町三井(みい)にある聖徳宗の寺院である。
土地の名によって、三井寺とも呼ばれ、法琳寺とも書く。
創建は飛鳥時代で、聖徳太子の子山背大兄王(やましろのおおえのおう)が、太子の病気平癒を願ってその子義王とともに建立したと伝えられ、また一説には、百済開法師、円明師、下氷新物(しもひしんもつ)の三人が合力して造寺したともいわれている。
昭和25年の発掘調査では、法隆寺式の伽藍配置で、規模は法隆寺西院伽藍の3分の2であることが明らかとなった。
平安時代の仏像等が多く残されていることから、その頃が隆盛期であったと考えられている。
その後次第に衰退し、享保年間(1716-35)に寶祐上人によって再興が進められ、講堂、金堂等も再建されて、現在に至っている。
三重塔は、法隆寺の五重塔、法起寺の三重塔とともに、斑鳩三塔の一つとして親しまれたが、昭和19年に落雷で建物が焼失した。
以来31年の長きにわたり、塔の再建計画が進められ、作家幸田文や全国の人々の支援で、昭和50年に再建され、旧塔にあった仏舎利が心礎に安置されている。
講堂には、寺の本尊の薬師如来坐像や、十一面観音菩薩立像、虚空蔵菩薩立像(いずれも国の重要文化財)などがある。
講堂北側の妙見堂には、秘仏妙見菩薩が祀られており、二月の節分には星祭りが行われている。
星祭りは、仏教における星の行事で、各々の当り星の巡り合わせが悪い年は悪事災難を免れるよう、良い年は一層よくなるように祈願して、一人ひとりにお札が授けられる。
近鉄橿原線筒井駅から王寺方面行バスで「中宮寺前」下車、徒歩15分。表門前に参拝者用の駐車場がある。(Y.N)



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