法隆寺東院伽藍

法隆寺東院伽藍は、739年に聖徳太子の斑鳩宮の故地の荒廃を嘆いた僧行信が、太子の威徳を偲んで上宮王院を創立したもので、平安時代に法隆寺の管理下に入り、東院と呼ばれるようになった。
761年の東院資材帳に示される寺域は、現東院境内と隣接する現中宮寺を合わせた地域とみられる。
東院伽藍の本堂は、8世紀末ごろから夢殿と呼ばれるようになった。夢殿は、斑鳩宮にあった建物の呼称と伝えられている。
夢殿(国宝)は、二重基壇の上に立つ八角円堂で、屋根の頂には宝珠が飾られている。通常、宝珠は珠で表されるが、夢殿の宝珠は「舎利瓶(しゃりびょう)」といわれる形で、宝珠から光明を発しているような線状の装飾がみられる。
八角円堂の中央の厨子には、聖徳太子等身の秘仏救世観音像(国宝)が安置されている。
聖徳太子存命中に造られたクスノキの一木造りの像で、太子の現し身ともいわれ、長年秘仏とされてきたが、明治17年に、日本美術の調査をしていた米国人のフェノロサと岡倉天心の努力で開扉された。
現在、救世観音は春(4月11日〜5月18日)と秋(10月22日〜11月22日)に公開されている。
夢殿には、聖観音菩薩像、聖徳太子の孝養像、行信僧都像、道栓律師の塑像なども安置されている。
夢殿の周囲は廻廊があり、北側に、舎利殿絵殿、伝法堂、東院鐘楼、南側に礼堂、南門がある。



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