寳藏寺は、和歌山県橋本市西畑にある寺院である。
高野山金剛峰寺の末寺として室町時代応永年間(1394-1427)の創建といわれる。
本尊は、聖観世音菩薩座像で、薬師如来木像、弘法大師像、不動明王像、地蔵菩薩像が祀られている。
伊都郡学文路村史によると、聖観世音菩薩を納める厨子には、文久二年(1862)戌年春二月初午の日建立之、藤屋佐兵衛、と書かれている。
平成23年2月に、本堂内の聖観世音菩薩座像、薬師如来木像、弘法大師像、不動明王像の4体が盗難にあっているのが判明したため、警察に盗難届を提出した。
同年3月13日の初午の際に、本尊が居ないため檀徒が相談し、仮本尊を安置して行事を行うこととした。
高野口町の渋川義尊仏師に板に聖観世音菩薩を描いてもらい、本堂に安置して、初午の日に下田住職が仮本尊の開眼法要を執り行った。
その一か月後に窃盗犯が逮捕され、聖観世音菩薩座像と不動明王像の2体が発見され、本堂に戻された。
それ以降、板に描かれた聖観世音菩薩は、「戻してくれる、返してくれる」などの力があると話題になり、「失せ物」「復縁」などの参拝者が訪れている。
南海高野線紀伊清水駅下車、徒歩40分。