今井町は、奈良県橿原市にあり、重要伝統建造物群保存地区に指定されている。
今井という地名は、北朝至徳年間、元中3年(1386)の興福寺一乗院の文書に残されている。
実際の町としての成立は、天文年間(1532-55)に石山本願寺の今井兵部卿豊寿が、称念寺の前身である道場を建てたのが始まりといわれる。
濠を巡らし、一向宗宗徒が集住して、城塞都市の今井寺内町が形成された。
永禄11年(1568)織田信長が足利義昭を擁して上洛して以降、本願寺は信長と対峙し、今井町も呼応し抵抗した。
しかしながら、天正3年(1575)に明智光秀を通じて降伏したため、信長の赦免の朱印状が下され、今井郷に自治特権を許された。
江戸時代には、商業都市となり今井札という銀札も発行され、「大和の金は今井に七分」といわれるほど繁栄した。
現在の今井町は、大半の民家が江戸時代以来の伝統様式を保っており、数多くの重要文化財の住宅を有している。
毎年第3日曜日とその前日の土曜日に、「今井町並み散歩」と題したイベントが行われ、多くの観光客が訪れる。
近鉄橿原線八木西口駅下車、徒歩5分。今井まちなみ交流センター「華甍」駐車場と今井西環濠駐車場がある。