上岩出神社

上岩出神社は、和歌山県岩出市北大池にある神社である。
紀伊続風土記一によると、上岩出神社は白山妙理権現社と記されており、現在も「白山さん」と呼ばれ「子安の神」として信仰を集めている。
祭神は菊理比売命(くくりひめのみこと)である。
社伝によると、大宝元年(701)役行者(役小角)により社が設けられ、蔵王権現としてこの地に鎮座したといわれ、境内社の中には、「蔵王社(ざおうのやしろ)」の名が残されている。
「結綱集」大治元年(1126)条によると、覚鑁が根来山に伽藍を建立するに先立ち、石手(いわで)荘に日本国中の大小の神明一千余社を勧請して神社を建立した。
このとき峩冠偉服の神が現れ勧請神名に漏れたことを告げたので、別に一社を建立してその神を祀ったのが当社という。
一方「紀伊続風土記」では長承2年(1133)覚鑁が越前国の白山権現を勧請し、社領200石を寄進したことに始まるとしている。
天正13年(1585)羽柴秀吉の紀州攻めで焼失したが、文禄3年(1594)に再建された。
現在の本殿は、三間社流造、檜皮葺で和歌山県指定文化財となっている。
本殿棟札には、「施主 興山上人 本願二位公覺榮法印 文禄三年甲午正月十一日」と記されており、応其上人により再建されたことがわかる。
明治42年(1909)に上岩出神社と改称し、一村一社という明治政府の命で、各地区で祀られていた三十余社が合祀され、祭神は二十四柱となった。
境内には、金胎両大日如来信仰に基づくと考えられている正平14年(1359)と正平16年銘の板碑(金剛界大日如来と胎蔵界大日如来の種子が刻まれている)2基(岩出市指定文化財)が建立されており、
社伝によると、正平16年の板碑は、北朝方の降伏を祈願して建てられたものといわれている。
また、天正拾一年(1583)銘の石灯籠も残っている。



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