特別史跡 キトラ古墳は、奈良県高市郡明日香村阿部山にある。
キトラ古墳は、7世紀末から8世紀初め頃に造られた古墳で、丘陵の南側斜面に位置している。
墳丘は二段築成の円墳で、発掘調査の成果などから、下段の直径が13.8m、上段の直径が9.4mと推定されている。
内部には二上山産凝灰岩の切石を18枚組み合わせて作られた石室がある。
石室内部は奥行2.40m、幅1.04m、高さ1.24mの大きさで、鎌倉時代に盗掘を受けているが、刀装身具、琥珀玉などの副葬品の一部と、木棺片や棺の飾金具、人骨などが出土している。
昭和58年に行ったファイバースコープによる石室内部の探査で、北壁に玄武が描かれていることが分かり、高松塚古墳に次ぐ我が国で二例目の大陸的な壁画古墳であることが明かとなった。
石室内には、四神、十二支、天文図、日月の壁画がある。四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)は天の四方を司る神獣で、四周の壁面に対応する方位に合わせて描かれている。
日本で四神の図像全てが揃う古墳壁画は、キトラ古墳壁画のみである。
四神の下には、獣頭人身の十二支が描かれており、現在、子、丑、寅、午、戌、亥の6体が確認されている。
屋根形の刳り込みのある天井には、東の斜面に金箔で太陽が、西の斜面に銀箔で月が表されている。
天井の平坦面の部分には円形の中国式の天文図が描かれている。
渡部潤一氏「古代文明と星空の謎」によると、描かれている星座は奈良のものではなく、古墳造営から200年以上前に西安や洛陽で観測されたものだという。
この天文図は、赤道や黄道を示す円を備えており、本格的な中国式星図としては、現存する世界最古の例である。
キトラ古墳は、平成12年に特別史跡に指定され、令和元年に壁画が国宝に指定されている。
キトラ古墳壁画体験棺 四神の館で、壁画が公開されており、古墳についての展示がある。
近鉄吉野線壺阪山駅下車、徒歩15分。来館者用の駐車場がある。
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