古道芋峠

古道芋峠は、奈良県明日香村と吉野町にある。
芋峠(芋ケ峠)の古道と新道の交差箇所に次の案内板がある。
古道芋峠
  犬養孝 「万葉の旅(上)」より
電車がひけるまでは、飛鳥地方と吉野をむすぶ重要な交通路となっていたが、こんにちは 誰ひとり越えるものはなく、草ぼうぼうで、道を失いがちであり、廃道に帰している実状である。
山道はもちろん、田舎の坦道さえ村から村へと歩く人影は、全国ともにほとんど見られなくなった。旧道は寸断され、旧峠などたいがいが廃絶の姿である。
古代から近代までつづいたあるくことによる距離の観念は、交通機関の発達によってみごと変革をとげているといってよい。
それだけに、万葉の歌の実相があるくことによってより正しく還元されるところの多いことが 峠の草など かきわけているときに、しみじみ感じられてくる。
み吉野の 耳我(みみが)の嶺に 時なくぞ
君は降りける 間(ま)なくぞ 雨はふりける
 その雪の 時なきがごと
 その雨の 間(ま)なきがこと
隈(くま)もおちず 思いつつぞ来し その山道を
                 万葉集 巻一の二五



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