広隆寺は、京都市右京区にある寺院である。
山号は蜂岡山で、本尊は弥勒菩薩である。
法隆寺、四天王寺とともに聖徳太子建立七大寺の一つで、古くは蜂岡寺(はちおかでら)、秦公寺(はたのきみでら)といい、太秦(うずまさ)の太子堂とも呼ばれる。
推古11年(603年)に秦河勝(はたのかわかつ)が、聖徳太子から仏像を賜り、同30年に本尊として建立した。
承和年間(834年〜48年)に焼失していた堂舎を、中興の祖とする道昌僧都(どうしょうそうず)が再興した。
その後も火災が起こり、本尊は創建当初の弥勒菩薩から薬師如来となり、のちにまた弥勒菩薩に代わった。
桂宮院本堂(別名 八角円堂)(国宝)は、聖徳太子が楓野別宮(かえでのべつぐう)を起こされたところと伝えられ、広隆寺の奥の院と称される。
現在の建物は、建長3年(1251年)に中観上人(ちゅうかんしょうにん)澄禅(ちょうぜん)により再建された。
上宮王院太子殿は、享保15年(1730年)に再建された入母屋造りの堂で、本尊として聖徳太子像が祀られている。
この太子尊像には、太子の偉徳功業を景仰する歴代天皇が、即位大礼に着用の黄櫓染御袍(こうろせんごほう)の束帯が即位後贈進されて各天皇一代を通じて着用するならわしである。
毎年11月22日の聖徳太子御火焚祭に特別開扉される。
また重要文化財として丹塗りで「赤堂」の愛称をもつ、永万元年(1165年)再建の講堂がある。
弥勒菩薩半跏思惟像は、日本の国宝第1号に指定された飛鳥仏を代表するもので、新霊宝殿に安置されている。
また、泣き弥勒の名で親しまれている弥勒菩薩像(宝髻(ほうけい)の弥勒)も国宝に指定されている。
嵐電嵐山本線太秦広隆寺駅下車、徒歩1分。京都バス太秦広隆寺前下車、徒歩1分。