高野口パイル織物資料館は、和歌山県橋本市高野口町にある
パイル織物は、「アザラシの毛皮に似た布地」ということから、別名シール織物、シールメリヤスとも呼ばれ、織物の基布に、毛(パイル糸)が織り込まれている特殊な有毛布地である。
この資料館は、高野口周辺のパイル織物の歴史や現代の織物について紹介する施設で、紀州繊維工業協同組合が、パイル織物誕生110周年を記念して昭和61年(1986年)に開館した。
伝統工芸の「再織(さいおり)」やシールメリヤスなどのほか、新幹線のシートカバーなどの製品が展示されている。
再織は、パイル織物のルーツで、明治10年高野口の前田安助によって考案された。
明治20年代には、神戸の外国商館からカーテン、テーブルクロス、壁掛等の注文を受け、アメリカに輸出して好評を博した。
その後機械化の波に推され衰退したが、昭和58年から先端技術の導入した近代化が進み、あらたな再織として、ファッション雑貨、インテリア用品などが作られている。
JR和歌山線高野口駅下車、徒歩2分。