高野山関連の俳句、和歌、詩歌
(1)地名俳句歳時記
(2)高野山詩歌句碑一覧
(3)紀伊国名所図会
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地名俳句歳時記(7)所収俳句 | |||
高野町 | |||
春 | |||
旅荷とはなれど高野の蕨とて | 池内たけし | ||
ひとすぢの高野の町を涅槃西風(にし) | 辻本青塔 | ||
夏 | |||
酒旗高し高野の麓鮎の里 | 高浜虚子 | ||
石楠花や高野に住みて且つ院家 | 森白象 | ||
夏山に沈みて高野紙を漉く | 同 | ||
夕陽傘さして高野へ著(つ)く女 | 京極杞陽 | ||
高野にも街騒ありて夕牡丹 | 石倉啓補 | ||
高野への幾重の谷の朴の花 | 中尾吸江 | ||
一筋の高野の町の夜の秋 | 中山梟月 | ||
秋 | |||
寝しづまる高野の町や天の川 | 相島虚吼 | ||
なほ奥へ高野の町を萱負女 | 小畑一天 | ||
解夏(げげ)の僧高野の町の人ごみに | 後藤暮汀 | ||
霧に灯を投げて高野の珠数屋かな | 細川子生 | ||
鈴の鳴り人現れ霧の高野路 | 猪野翆女 | ||
尼僧ゆく高野の町の夕紅葉 | 小原うめ女 | ||
高野まで秋の暑さを持ちて下車 | 藤浦昭代 | ||
冬 | |||
焚火してところところに高野市 | 森白象 | ||
高野六木 | |||
春 | 高野槙売りかたはらに蕨売り | 池内たけし | |
夏 | 日蔽内(ぬち)ひさぐは供華の高野槙 | 清崎敏郎 | |
老杉に梅雨深かりし高野山 | 松本秩陵 | ||
杉の秀(ほ)にかかる高野の梅雨の月 | 上原美久江 | ||
秋 | 掃苔の人になみ立つ高野杉 | 長谷川素逝 | |
霧とぶや高野は槙を供華に剪(き)る | 上村占魚 | ||
杉の秀に高野の月として上る | 新村寒花 | ||
高野山杉の奈落の稲刈れる | 金森柑子 | ||
育ちゆく月を高野の杉に見し | 平木谷水 | ||
月ひくし高野大杉高ければ | 吉田憲司 | ||
冬 | 杉の間に綿虫ながれ高野山 | 塩田東邨 | |
高野山 | |||
金剛峯寺 | 春 | ||
月おぼろ高野の坊の夜食時 | 蕪村 | ||
深々と雪の高野の涅槃通夜 | 田村睦村 | ||
降る雪に涅槃声明なほつづく | 戸田銀汀 | ||
初蛙高野泊りの夜もすがら | 小原菁々子 | ||
花冷の高野の坊に寄り臥せる | 清田松琴 | ||
夜が明けて春雪浄土高野山 | 志賀青研 | ||
暮れてより高野泊りの蛙鳴く | 高浜きみ子 | ||
涅槃会の月のくまなき高野山 | 桑田青虎 | ||
菩提寺の高野の山の遅桜 | 瀬在苹果 | ||
夏 | |||
炎天の空美しや高野山 | 高浜虚子 | ||
人の世の今日は高野の牡丹見る | 高浜虚子 | ||
ほととぎす高野の数珠をかけ下山 | 大橋桜坡子 | ||
時鳥(ほととぎす)高野百坊まだ覚めず | 朝鍋住江女 | ||
滝仰ぐより巡礼のはじまりぬ | 深川正一郎 | ||
高野辞す名残りの沙羅に又佇(た)てり | 村上杏史 | ||
牡丹の金剛峯寺に虚子来しと | 山口笙堂 | ||
高野には高野の僧規ほととぎす | 同 | ||
夏霧の冷ゆる高野の宿坊に | 原三猿子 | ||
梅雨に入るらしき高野の雷雨かな | 能美丹詠 | ||
高野山なる百坊梅雨に沈みけり | 松本秩陵 | ||
沙羅にまだ早き高野の火桶かな | 中尾吸江 | ||
沙羅の花昨日も今日も見て高野 | 大塚郁子 | ||
高野訪ふことの年々朴の花 | 高島秋峯 | ||
勤行へ高野泊りの明易し | 栗原みよ子 | ||
秋 | |||
月の坂高野の僧に逢ふばかり | 高浜虚子 | ||
むささびの鳴いて高野の夕月夜 | 松尾いはほ | ||
霧のみち高野の僧と共に行く | 池内たけし | ||
秋風に袖ひるがへし高野僧 | 今井つる女 | ||
新秋の高野の蚤にくはれけり | 日野草城 | ||
夜寒さの高野の坊の早寝かな | 古藤一杏子 | ||
馬の荷のみな盆物や高野山 | 森川暁水 | ||
露の身を今日は高野の旅にあり | 渡辺汀人 | ||
霧に傘さし上山の高野僧 | 小原菁々子 | ||
銀漢や水豊かなる高野山 | 細川子生 | ||
年々のこたびは霧の高野みち | 塩見武弘 | ||
初紅葉とて薄からず高野道 | 百崎つゆ子 | ||
朝寒や高野の僧のかぶりもの | 岡田耿陽 | ||
冬 | |||
底冷のしては高野のしぐれぐせ | 森白象 | ||
仏飯を喰むで高野の寒鴉 | 佐藤慈童 | ||
しづり雪身に浴ぶことも高野なれ | 松本巨草 | ||
雪掻きて高野を出でぬ身なるべし | 森田峠 | ||
高野なる月よりこぼれきしは雪 | 村元子潮 | ||
星凍てて高野を闇に沈めたる | 辻口静夫 | ||
僧の間に高野は早き炬燵して | 和気祐孝 | ||
残りとは寺の布団をつみ重ね | 稲畑汀子 | ||
谷水も凍てつく高野に師を訪ひて | 片岡我当 | ||
雪ありて雪晴といふ高野山 | 徳永玄子 | ||
雪深く耐ゆるみ仏高野山 | 水見壽男 | ||
冬ざれや高野の僧の足早に | 五十嵐哲也 | ||
新年 | |||
高野山座主手づからの屠蘇拝す | 勝尾艸央 | ||
大門 | 夏 | ||
大門の四方の雨垂れ梅雨に入る | 松本巨草 | ||
雨ついて来し大門やほととぎす | 中島よし絵 | ||
秋 | |||
大門の忽然として霧の中 | 今井つる女 | ||
冬 | |||
大門のはるかに見ゆる狩の道 | 三星山彦 | ||
壇上伽藍 | 秋 | ||
大塔の空より霽(は)れし朝の霧 | 小原菁々子 | ||
秋深し高野四郎の鐘わたる | 百崎つゆ子 | ||
女人堂 | 夏 | ||
女人堂と聞くさえ哀れ苔の花 | 斎藤双風 | ||
すぐ脇に老鶯(ろうおう)の谷女人堂 | 高島筍雄 | ||
秋 | |||
女人堂露の一灯奉る | 今井つる女 | ||
奥院 | 春 | ||
馬酔木咲く高野の墓地は塵もなく | 河合いずみ | ||
夏 | |||
桐咲けば桐の空あり高野谷 | 細見綾子 | ||
朴若葉胎蔵界の風吹けり | 沢木欣一 | ||
桜実に西行堂の白障子 | 同 | ||
鮠(はや)泳ぐ奥の院なる水行場 | 滝沢伊代次 | ||
秋 | |||
秋の雨洗ひ浄めし無明橋 | 今井つる女 | ||
奥之院までの参道霧冷えす | 田伏幸一 | ||
信長も露の高野に?会一処 | 中島不識洞 | ||
明けてゆく霧を掃かれて奥の院 | 川田朴子 | ||
御影供 | 春 | ||
御影講や顱(つむり)の青き新比丘尼 | 許六 | ||
御影供の人出堰きつつ輿すすむ | 佐藤慈童 | ||
還俗の弟子も来てゐる御影供かな | 森白象 | ||
得度してふるさと遠し空海忌 | 三星山彦 | ||
とこしへにいろは歌あり空海忌 | 兼田英太 | ||
了 |
山内潤三氏「高野山詩歌句碑一覧」(1970年) | ぐるりん関西 | ||||||
地域順 番号 |
碑の名称 | 年月日 | 寸法 | 年代別 | |||
1 | 同期の桜詩碑 | 昭和42年 (1967) 8月15日 |
H68W123 | 76 | 同期の桜供養塔 | ||
第二次世界大戦の終局まじかーーー守りつがん永遠に | |||||||
2 | 青嵐句碑 | 昭和27年 (1952) 3月 |
H105W60 奥行40 |
55 | 永田青嵐句碑 | ||
お遍路の祖師と在るこころ尊とけれ | |||||||
3 | 寛演歌碑 | 昭和5年 庚午(1930) |
H206W45 奥行23台H28 |
50 | 寛演歌碑 | ||
みほとけのりやくの程そ有難き病気忘れし今日の嬉しさ | |||||||
妣田圭子歌碑 | |||||||
池内たけし句碑 | |||||||
右田百女句碑 | |||||||
弘法大師お夢告の歌碑 | |||||||
野村晃円(尼)歌碑 | |||||||
4 | 人道之歌碑 | 昭和41年 (1966) |
H80W72 奥行26台6 |
75 | 人道歌碑 | ||
わかまこと(略) | |||||||
5 | 道しるべ秋双句碑 | 年代不明 | H132 W26 |
||||
風すゝしこゝ浄域の第一歩 | |||||||
6 | かげらふ塚 | 昭和39年 (1964) |
70 | かげろふ塚 | |||
在りし日のかたみともなれかげらふ塚 | |||||||
7 | 平山居士句碑 | 天保14年 (1843) |
H100W65 奥行20 台23 |
18 | 平山居士句碑 | ||
明ぼのや暫(しばらく)ながら雪の峰 | |||||||
補遺13 (再掲) |
弘法大師お夢告の歌碑 | 昭和44年 (1969) |
無し | 弘法大師お夢告の歌碑 | |||
いてつく日ややけつく日また | 野村晃円(尼)歌碑 | ||||||
あらしの日辻の地蔵の姿しのべよ | |||||||
補遺14 (再掲) |
弘法大師お夢告碑 前花いけ歌碑 |
昭和44年 (1969) |
弘法大師お夢告碑前花いけ歌碑 | ||||
艪の舵も | |||||||
蓮葉の | |||||||
8 | 旧玉川歌碑 | 慶長16年 (1611) |
H190W40 奥行24 |
2 | 玉川歌碑 | ||
忘れてもくミやしつらん旅人の高のゝおくの玉川の水 | |||||||
9 | 塊翁句碑 | 文化10年 (1827) |
H118W64 奥行33 台50 |
12 | 塊亭碑(塊翁句碑) | ||
霧となる香の薫りや九百坊 | |||||||
10 | 五大種歌碑 | 元和7年 (1621) 寛永10年 (1633) |
H190W52 奥行30 |
4 | 五大種歌碑 | ||
偶然の炎の枕の夢さめて柳はみとり花ハくれなゐ | |||||||
11 | 極楽塚句碑 | 昭和31年 (1956) |
H120W32 奥14 |
59 | 極楽塚 棒洋句碑 | ||
歳の暮浮世はものゝ夢なれや | |||||||
12 | 極楽塚歌碑 | 昭和31年 (1956) |
H270 W115 奥行50 大20 |
60 | 極楽塚 藤田丁亥次歌碑 | ||
極楽はあるべきものを何人も | |||||||
忘れさらめや誠つくして | |||||||
13 | 富安風生句碑 | 昭和39年 (1964) |
69 | 富安風生句碑 | |||
一山乃清浄即美秋の雨 | |||||||
18 | 鶴亀淀八句碑 | 大正5年 (1916) |
H59 W76 奥10 |
42 | 鶴亀淀八歌碑・句碑 | ||
高野成淀に恵水の養老盃□ | |||||||
19 | 御詠歌歌碑 | 昭和33年 (1958) 4月吉日 |
63 | 御詠歌歌碑(堺堀越観音講) | |||
かりのよにしやくでくるしむひとあらば | |||||||
大慈大悲とたのめすくわん | |||||||
20 | 慈忍歌碑 | 昭和42年 (1967) |
77 | 慈忍歌碑 | |||
わがためと思ふ心はあださくら | |||||||
人にはつくせ己が誠を | |||||||
補遺3 (再掲) |
高田万二歌碑 | 明治25年 (1892) |
無し | 高田万二歌碑 | |||
浮世へし我おもかけはさくら花 | |||||||
ちりてきえゆく身こそあはれ | |||||||
23 | 詠久句碑 | 嘉永6年 (1853) |
22 | 詠久句碑 | |||
落光の清さや杉の下涼 | |||||||
26 | 伊藤氏墓、一捕・完来句碑 | 文化9年 (1812) |
無し | 伊藤氏墓、一捕・完来句碑 | |||
在すかと夢に夢見て浮の秋 | |||||||
空ミれは空まて峯の月ひとつ | |||||||
27 | 中村徳蔵句碑 | 明治39年 (1906) |
33 | 中村徳蔵句碑 | |||
みほとけの慈悲にそあらむかん子鳥 | |||||||
補遺4 (再掲) |
猪瀬恵以墓句碑 | 明治42年 (1909) |
無し | 猪瀬恵以墓句碑 | |||
御墓に尊き山の落ち葉かな | |||||||
補遺2 (再掲) |
成田屋眼玉白猿歌碑 | 天保8年 (1837) |
成田屋眼玉白猿歌碑 | ||||
人間の道をたつねてきたるはし | |||||||
かうゝゝとおしへくたさる | |||||||
31 | 大教正五老(左)井句碑 | 大正元年 (1911) |
39 | 大教正五老井句碑 | |||
尊さや蓮のかたちの法の山 | |||||||
32 | 増田氏ありがたや歌碑 | 大正11年 (1922) |
45 | ありがたや歌碑 | |||
ありがたや高野の山の岩かげに | |||||||
大師はいまにおわしまします | |||||||
33 | 五代五兵衛歌碑 | 明治9年 1934) |
H113W45 奥16 台33 |
52 | 五代五兵衛歌碑 | ||
盲と唖の教えの道に盡してし 勲高き君仰くかも | |||||||
34 | 八木家之墓歌碑群 | 昭和31年 (1956) |
64 | 八木家之墓歌碑群 | |||
幸うすく若く浄らに散りし霊に | |||||||
やさしく侍べれ乙女椿よ | |||||||
35 | 市紅句碑 | 明治35年 (1902) |
H65W16 | 29 | 市川團藏家墓所 | ||
なく虫を我(?)道連や秋の山 | 市紅句碑 団猿句碑 | ||||||
36 | 団猿句碑 | 明治35年 (1902) |
H65W16 | 30 | 市川團藏家墓所 | ||
心にも白きは清し冬牡丹 | 市紅句碑 団猿句碑 | ||||||
補遺9 (再掲) |
喜野家終戦 八月十五日歌碑 |
昭和26年 (1951) |
喜野家終戦歌碑 | ||||
生きかへり死にかへりつゝ | |||||||
日の本の御國守らむ大和男子は | |||||||
39 | 芭蕉句碑 | 安永4年 (1775) |
H87W55 奥28 台30 |
5 | 芭蕉句碑 | ||
父母のしきりにこひし雉子の聲 | |||||||
補遺8 (再掲) |
九度山萱野家句碑 | 昭和16年 (1941) |
無し | 九度山萱野家句碑 | |||
寂寞の中に聲あり呼子鳥 | |||||||
40 | 父母恩重歌碑群 | 昭和40年 (1965) |
H280W130 奥100 台120 |
73 | 父母恩重碑 | ||
父恋し母なつかしといしふみを | |||||||
建てて昔を偲ふ今日かな | |||||||
なし | 聖徳公子歌碑 | 昭和57年 (1982) |
H250 | なし | 聖徳公子歌碑 | ||
やみよりやみえきえはてし | |||||||
有縁無縁のみどり子をあはれみ給ひて地蔵尊 | |||||||
41 | 初代歌沢之歌碑 | 昭和4年 (1929) |
H155W60 奥11 |
48 | 初代哥澤之歌碑 | ||
浅しとてきき流さめや歌澤の | |||||||
ふかきこゝろは知る人そしる | |||||||
なし | 筆塚歌碑 | H100 | なし | 筆塚歌碑 | |||
宿願のわが筆塚をまほろばに | |||||||
高野の杉の青墨のいろ | |||||||
補遺10 (再掲) |
大林堂登美子歌碑 | 昭和43年 (1968) |
無し | 大林堂登美子歌碑 | |||
身におよふうきことゝゝをかさね来て | |||||||
感謝に生くるのれん尊し | |||||||
補遺7 (再掲) |
山色天来仏山人歌碑 | 昭和6年 (1931) |
山色天来仏山人歌碑 | ||||
雪しろきひらをのこして大比叡も | (井村米太郎(真琴)墓歌碑) | ||||||
をひえも空のいろに晴たり | |||||||
43 | 扇面句碑 | 昭和40年 (1965) |
H45W75 奥行11 台55 |
72 | 扇面句碑 | ||
鎌倉の夢見てさめて雪篭り | |||||||
補遺5 (再掲) |
勲三等高田慎蔵歌碑 | 明治43年 (1910) |
無し | 高田慎蔵夫妻供養塔(歌碑) | |||
高野山浮世の雲をよそにして | |||||||
心しつかに月をなかめむ | |||||||
47 | 慶長十八年歌碑 | 慶長18年 (1613) |
H130W26 奥10 |
3 | 慶長十八年歌碑 | ||
高野山たのむこころのふかければ | |||||||
あさき石井もくみはつくさし | |||||||
48 | 徳栄講歌碑 | 大正2年 (1913) |
H300W56 奥18 台185 |
40 | 徳栄講歌碑 | ||
法の為たつるいくさをもたか野山 | |||||||
その名はくちじ末の世迄に | |||||||
49 | 村田順子辞世歌碑 | 明治40年 (1907) |
H75W30 奥30 台68 |
34 | 村田順子辞世歌碑 | ||
あちきなき浮世をすてゝ極樂の | |||||||
はちすをわけて母をまたはや | |||||||
52 | 龍山院歌碑 | 安永7年 (1778) |
H102W37 奥30 台105 |
6 | 龍山院歌碑 | ||
諸友とこめし契もあしきなく | |||||||
うつれはかわる天野むら雲 | |||||||
53 | 生駒家歌碑 | 年代不明 | H45W86 奥27 |
0 | 生駒家歌碑 | ||
思ひたつ心のまゝにはつことは | |||||||
神の扶けのあるものと知れ | |||||||
54 | 杉苗五千本歌碑 | 明治41年 (1908) |
H197W34 奥75 |
35 | 杉苗五千本歌碑 | ||
子を思ふ親ほとおやを思ふ子は | |||||||
人の道行人と云へし | |||||||
55 | 天保玉川歌碑 | 嘉永元年 (1848) |
H183W110 奥15 台25 |
21 | 嘉永元年玉川碑歌碑 | ||
わすれても汲みやしつらむ旅人の | |||||||
高野のおくの玉川のミつ | |||||||
なし | 蕪村玉川句碑 | 平成15年 11月15日 (2003) |
蕪村玉川句碑 | ||||
玉川に高野の花や流れ去る | |||||||
56 | 弘龍庵歌碑 | 昭和27年 (1952) |
H92W30 奥30 台94 |
57 | 弘龍庵歌碑 | ||
ありがたや南無阿弥陀仏の喜びの | |||||||
供養の塔に身を納めなん | |||||||
57 | 正和元年 大中臣弘泰歌碑 |
正和元年 (1312) |
H220W38 奥41 |
1 | 大中臣弘泰歌碑(日本最古の歌碑) | ||
いにしヘハはなさくはるにむかひしに | |||||||
にしにくまなき月おみるかな | |||||||
59 | 研暢、観広、 本雄、友情の歌碑 |
嘉永7年 (1854) |
H107W70 奥25 台35 |
23 | 研暢、観広、本雄、友情の歌碑 | ||
ちきりをく御法の花の種なれハ | |||||||
匂ひもふかくここに咲らむ | |||||||
61 | 鶴沢清六歌碑 | 昭和35年 (1960) |
H49W94 奥12台14 |
65 | 鶴澤清六歌碑 | ||
うつし身はこゝにねむれど絃のわざ | |||||||
妙なる音色永久に残らん | |||||||
612 | すめらぎとともに聴けるは清六の | ||||||
ちからこめたる撥おともよし | |||||||
68 | 中野広三郎歌碑 | 昭和41年 (1966) |
中野広三郎歌碑 | ||||
みおしえの徳をかしこみ常日頃 | |||||||
迷いもせずに徳を積みしか | |||||||
別れ行く君の姿ハみえねども | |||||||
徳の光はいつの世までも | |||||||
69 | アンボン島 戦士之詩碑 |
昭和40年 (1965) |
71 | アンボン島戦士之詩碑 | |||
共に征き、共に戦い | |||||||
なし | 白猫句碑 | 白猫句碑 | |||||
消えてくる程遠からず春の鐘 | |||||||
70 | 一福句碑 | 昭和31年 (1956) |
無し | 一福句碑 | |||
焼け失せし過去帳の魂まつりけり | |||||||
祖師の邊に集い在してあたたかく | |||||||
71 | 山口誓子句碑 | 昭和36年 (1961) |
66 | 山口誓子句碑 | |||
夕焼けて西の十萬億土透く | |||||||
73 | 親鸞報恩歌碑 | 大正7年 (1918) |
親鸞報恩歌碑、見真大師墓句碑 | ||||
迎へく祖師の御跡をしたひ来て | |||||||
御影に逢そ今日のうれしき | |||||||
74 | 見真大師墓句碑 | 明治38年 (1905) |
親鸞報恩歌碑、見真大師墓句碑 | ||||
法の縁くちぬちかひや石の文 | |||||||
76 | 木板詩歌碑(一) | 上野家詩歌碑 | |||||
白蓮の花咲き燃える霊山の | |||||||
慈悲に煌やく法界の廟 | |||||||
81 | 高浜虚子普賢院句碑 | 昭和32年 | H117W68 台ナシ |
||||
琴瑟に仏法僧も相和して | |||||||
なし | 森白象句碑(普賢院) | 森白象句碑(普賢院) | |||||
いく度も時雨し月の庭に立つ | |||||||
なし | 森白象句碑(普賢院芭蕉堂前) | 森白象句碑(普賢院芭蕉堂前) | |||||
平凡を倖せとして去年今年 | |||||||
なし | 土井晩翠歌碑 | 昭和31.11 | 出典:文学の旅10(1972.5.1) | ||||
風なきに斜の落葉いぶかれば | 碑面上部に晩翠が描いた観音像が | ||||||
梢はなるる小鳥一むれ | 線刻されている。(普賢院) | ||||||
なし | 森郁子句碑 | 森郁子句碑 | |||||
朴咲くと聞けば高野に帰りたく | |||||||
なし | 黒田杏子句碑 | 平成19年 (2007) |
黒田杏子句碑(無量光院) | ||||
涅槃図をあふるる月のひかりかな | |||||||
なし | 池田兎余子句碑 | 昭和55年 | 池田兎余子句碑 | ||||
来なれては高野も近し沙羅の花 | |||||||
82 | 光台院御所桜句碑 | 年代不明 | H143W25 奥17 |
光臺院御所桜句碑 | |||
古への由緒とはすも御所桜 | |||||||
なし | 五十嵐播水句碑 | 五十嵐播水句碑 | |||||
籠り僧ことりともせず蟻地獄 | |||||||
なし | 北尾鏡之助句碑 | 北尾鏡之助句碑 | |||||
夜桜の門あけてある御寺かな | |||||||
なし | 豊長みのる句碑 | 平成5年 | 豊長みのる句碑 | ||||
千年の杉のこゑ棲む青高野 | |||||||
83 | 金剛峯寺前 道しるべ句碑 |
明治17年 (1884) |
川上玉園句碑 | ||||
高野山のぼりてうれし花の笑み | |||||||
84 | 大師教会 いかせいのち詩碑 |
昭和37年 (1962) |
大師教会いかせいのち詩碑 | ||||
このわらべ 心みな | |||||||
85 | 大聖院 松本浜子歌碑 |
大正7年 (1918) |
|||||
しのひねを | |||||||
86 | 大門田村木国句碑 | 昭和32年 (1957) |
田村木国句碑 | ||||
山門を出てゝ秋日の谷深し | |||||||
補遺2 | 成田屋眼玉白猿歌碑 | 天保8年 (1837) |
無し | 成田屋眼玉白猿歌碑 | |||
人間の道をたつねてきたるはし | |||||||
かうゝゝとおしへくたさる | |||||||
補遺3 | 高田万二歌碑 | 明治25年 1892) |
高田万二歌碑 | ||||
浮世へし我おもかけはさくら花 | |||||||
ちりてきえゆく身こそあはれ | |||||||
補遺4 | 猪瀬恵以墓句碑 | 明治42年 (1909) |
無し | 猪瀬恵以墓句碑 | |||
御墓に尊き山の落ち葉かな | |||||||
補遺5 | 勲三等高田慎蔵歌碑 | 明治43年 (1910) |
無し | 高田慎蔵夫妻供養塔(歌碑) | |||
高野山浮世の雲をよそにして | |||||||
心しつかに月をなかめむ | |||||||
補遺7 |
山色天来仏山人歌碑 | 昭和6年 (1931) |
無し | 山色天来仏山人歌碑 | |||
雪しろきひらをのこして大比叡も | (井村米太郎(真琴)墓歌碑) | ||||||
をひえも空のいろに晴たり | |||||||
補遺8 | 九度山萱野家句碑 | 昭和16年 (1941) |
無し | 九度山萱野家句碑 | |||
寂寞の中に聲あり呼子鳥 | |||||||
補遺9 |
喜野家終戦 八月十五日歌碑 |
昭和26年 (1951) |
喜野家終戦歌碑 | ||||
生きかへり死にかへりつゝ | |||||||
日の本の御國守らむ大和男子は | |||||||
補遺10 | 大林堂登美子歌碑 | 昭和43年 (1968) |
無し | 大林堂登美子歌碑 | |||
身におよふうきことゝゝをかさね来て | |||||||
感謝に生くるのれん尊し | |||||||
補遺12 | 長慶宇宙門辞世歌碑 | 大正5年 (1916) |
無し | 吉村長慶宇宙門辞世歌碑 | |||
死は宇宙の大神霊に帰するもの | |||||||
生まれるよりも永久に活るなり | |||||||
補遺13 |
弘法大師お夢告の歌碑 | 昭和44年 (1969) |
無し | 弘法大師お夢告の歌碑 | |||
いてつく日ややけつく日また | 野村晃円(尼)歌碑 | ||||||
あらしの日辻の地蔵の姿しのべよ | |||||||
補遺14 |
弘法大師お夢告碑 前花いけ歌碑 |
昭和44年 (1969) |
弘法大師お夢告碑前花いけ歌碑 | ||||
艪の舵も | |||||||
蓮葉の | |||||||
なし | 三星山彦句碑 | 昭和45年 | 三星山彦句碑(高野町神谷) | ||||
吹雪ゐる山河少年の日の山河 |
紀伊名所図会に収録された和歌、俳句 | |||
紀伊名所図会 (2)(3) | |||
2P618 | 奥の院より大門口其3 | ||
寄墓祝といふこころを | |||
君か徳 高野にしるし 立ちなみて 大名方もをさまれる御代 |
|||
玉川舎 | |||
2P632 | 奥の院より大門口其10 | ||
2P644 | 谷上総図 | ||
鷲の峰 鶴の林も とりの名の たかののおくに 有明の月 |
|||
東武 栗園 | |||
2P647 | 千手院谷ほか総図 | ||
入道寂然大原に住侍りけるに 高野よりつかはしける |
|||
山ふかみなるる かさぎのけぢかきに 世にとほさかるほとぞしらるる |
|||
西行 | |||
2P647 | 千手院谷ほか総図 | ||
あかつきの しらみかかれば たびびとの かゆき かくゆく 千手院谷 |
|||
寡垢人 | |||
2P648 | 千手院谷つづき | ||
うくひすの なくなみた見む 女人堂 | |||
樗堂 | |||
2P649 | 千手院谷つづき | ||
石蕗咲や 滝のしぶきに ぬれなから | |||
鱸仙 | |||
2P652 | 五室谷 | ||
仏(ほとけ)には なり過たりや 高野山 あみだがみねを こえてゆくかう |
|||
法橋紹巴 | |||
2P652 | 五室谷 | ||
青厳寺と興山寺の あひだの谷にて ほととぎすの おとしぶみと いふものをひろひて |
|||
しのび音(ね)を まきやこめしと おもふまで ゆかしき文を いさひらきてん |
|||
百舌鳥草茎 | |||
2P655 | 一心院谷 | ||
内大臣実隆公永正四年四月登山したまひて 都に帰らせたまふとき 一心院の奥乃坊を出たまふとて 別をおしみたまひて |
|||
おもひ入しひとつこころの 奥を出て帰へらむ 塵の世をいかにせむ |
|||
廣隆 | |||
2P669 | 町卒塔婆 | ||
続千載集 | |||
正和二年法皇高野山に御幸侍りし時、世々の跡にこえて、 山のほど御輿にもめされざりしかば、 おもひつづけ侍りける |
|||
高野山みゆきの跡はおほけれど まことの道は今ぞ見えける |
|||
僧正道順 | |||
2P673 | 勝利寺 | ||
続千載 | 羇旅 | ||
高野にまうで侍りける道にてよみ侍りける | |||
定めなきうき世の中としりぬれば 何所(いずく)も旅のここちこそすれ |
|||
高野法親王道法 | |||
2P676 | 続千載 | 哀傷 | |
従一位貞子身まかりける骨を高野におくり侍るとて 道にてよみ侍りける |
|||
行くさきの道もおぼえず高野山(たかのやま) これをわかれのはてとおもへば |
|||
法印憲基 | |||
2P682 | 天野社神事能 | ||
あふげ人すずしさそふる神かぜに まよひのちりはみな月のそら |
|||
雲堂 | |||
2P687 | 出観集 | ||
秋のはじめ天野のやしろにまうで給へりけるに、 月のあかくて風のはげしかりければ |
|||
さもしるき月の光もあるものを 何か嵐の秋とふくらん |
|||
覺性法親王 | |||
2P687 | 出観集 | ||
これを人のかたりけるをきゝて | |||
奉りける | |||
雲はらふよはの嵐のあればこそ 秋行く月の影も見ゆらめ |
|||
行宴法師 | |||
2P687 | 出観集 | ||
十月ばかり當社にまうでゝ | |||
あはれにも尊くもたゞ葛の霜 | |||
塊亭 | |||
2P693 | 西行堂 | ||
西行法師のりきよといひしときの妻、 | |||
尼となりて天野にすまれしあとゝて、 | |||
今に草庵あり。秋のころ | |||
なく蟲の草にやつれていく秋か あまのに残る露のやどりぞ |
|||
似雲 | |||
2P694 | 西行堂 | ||
堂の前に西行が狭田(はざまだ)といふあり | |||
その田今に蛙なく事なし且上人をそ | |||
詠じける歌とて | |||
西行がたまたまつくるはざまだの 畝(うね)のせまちのあるぞうれしき |
|||
2P697 | 笠木坂 | ||
御幸(みゆき)せしむかしをとへば笠木坂 さしてをしふる人かげもなし |
|||
白菅荒海 | |||
2P697 | 矢立茶屋 | ||
?蔭記行 | |||
故事(ふること)を聞きもらさじと杉の名の 矢立の筆をふるふ木(こ)の本 |
|||
2P698 | 袈裟掛石 | ||
続千載 | |||
高野山(たかのやま)にまうで侍りけるとき 山路(やまぢ)にてよみ侍りける |
|||
跡たえて世を遁(のが)るべき道なれや 岩さへ苔の衣(ころも)きてけり |
|||
仁和寺法親王守覺 | |||
2P698 | 捻石(ねぢいし) | ||
ねぢ岩のねぢももどらむ初しぐれ | |||
萍左 | |||
2P700 | 七色木 | ||
はぜぬるで楓松杉藤柏 この七色を一樹(いちき)にぞみる |
|||
2P701 | P14 | 鏡石 絵 | |
杖突いてむかへばこしもかがみ石 われより先に老やすみける(む) |
|||
泥田坊 | |||
2P702 | 鏡石 | ||
鏡石と申すと教へければ、 「いざたちよりて見てゆかむ」 などずしつつ |
|||
世の塵もかゝからぬ岩や法(のり)の師の すます心の友かゞみなる |
|||
首麻呂 | |||
2P702 | 関屋 | ||
さくら咲く高野(たかの)の関屋あれぬとも とめまほしきは春にぞ有りける |
|||
易興 | |||
2P703 | 見越坂(みこしざか) | ||
見越坂より淡路島の見ゆるに、 道範大徳のさすらへられしときの歌おもひ出てゝ |
|||
わだの原あはと見わたす淡路より ながめくらしゝ昔をぞおもふ |
|||
濱名浦雄 | |||
2P704 | 大門口関屋合戦 絵 | ||
春日さすいはねのゆきのあともなく くつれおちけむもののふのとも |
|||
首麿 | |||
2P708 | 大門 絵 | ||
つばくらのしげき出入りや雲のそで | |||
高野 杦(すぎ)聴 | |||
2P710 | 大門2 絵 | ||
千山 | |||
西行とわらひくらべの山路かな | |||
2P711 | 大門3 絵 | ||
生抜(はえぬい)て名にもたかののかがみ石 ほってもよそへうつすべきかは |
|||
泥田坊 | |||
2P711 | 大門4 絵 | ||
陽炎や鳥のあつまる仏供岩 | |||
芦角 | |||
2P711 | 大門5 絵 | ||
2P712 | 角石(かどいし)や疾(と)きいなつまのすり火うち | ||
見義 | |||
2P712 | 大門6 絵 | ||
朝日うけ都卒(とそつ)のつゆかなみた川 | |||
佳流 | |||
2P712 | 大門7 絵 | ||
七筆の歌本を見むいろいろに 分けて見せたる茂りかな |
|||
千水 | |||
2P714 | 大門8 絵 | ||
空蝉や袈裟かけ石にしがみつき | |||
明子 | |||
2P714 | 大門9 絵 | ||
矢立杦(すぎ)の聲をききて | |||
たちにけむ炎(ほむら)よりもはやくすぎしよを 杦の木かげにおもひこそすれ |
|||
千川 | |||
2P716 | 大門10 絵 | ||
五月雨や丁石のほる蝸牛(かたつむり) | |||
陰松 | |||
2P717 | 大門11 絵 | ||
久かたの天野の宮居下に見て 雲わけのほる八重の坂道 |
|||
信雄 | |||
2P718 | 大門12 絵 | ||
白雨(はくう ゆうだち)や はしりついたる笠木坂 |
|||
ト枝 | |||
2P720 | 天野 絵 | ||
名木桜といふをみて | |||
えだをりてとがめられなばなかなかに めんぼくもなきさくらちりまし |
|||
拾栗山人 | |||
2P728 | 西行松 | ||
西行の草履もかゝれ松の露 | |||
芭蕉 | |||
2P728 | 衣掛櫻 | ||
とりかけし御衣(みけし)の雫かしこみて 今も涙のちる櫻かな |
|||
橘可折 | |||
2P730 | 丁田天神 清水町 絵 | ||
西行墓にて | |||
あととはむ鳥も清水の柳かげ | |||
拾栗山人 | |||
2P732 | 玉屋 絵 | ||
かるかやのむかしよりとしとしにしげりさかえて 遊びどもおほかる宿也 |
|||
あそびめの貌の玉屋にみつづけの 子を尋ねくる父もあるべし |
|||
泥田坊 | |||
2P738 | 苅萱堂 | ||
風にちるかるかや堂のけしの花今道心と蝶も尋ねん | |||
玉川舎 | |||
2P740 | 神谷辻 | ||
高野山にまうで侍る。たよりなるかみや村に 諏訪なにがしの家に立ちより侍りて |
|||
契(ちぎり)あらば又もとひこむ高野山(たかのやま) 麓をしむる宿のあるじを |
|||
寂靜 | |||
2P741 | 称名院右府記 | ||
おのおのたびのよそひして下山す。 昨日も山中野火所々見えし、 今日はまた大きなる木やけて、 折かへりたる中よりほのほあがれり。 |
|||
右は山左はふかき谷、 あしもとより火もえける木の下をとほれる、 まことに避雨の陵をすぐる心地もかくと見えたり云々。 |
|||
咲く花も見えて霜ふむ山路かな | |||
卓池 | |||
2P741 | 称名院右府記 | ||
三月二日、高野にのぼりぬ。かぶろ坂不動坂など、 ききしよりもさかしく、此あたりは乗物もかなはざれば、 からうじてのぼりぬ。 |
|||
不動坂にて山人の柴おろすを見て | |||
山賤(やまかづ)がみねよりおろす柴車 とむるかたなき我心かな |
|||
放鵬子 | |||
2P742 | 四寸岩 | ||
鶺鴒(せきれい)の小尻とかめや四寸岩 | |||
貞佐 | |||
2P745 | 千首 | ||
山女郎花 | |||
さはりある花の名たてか女郎花 いかで高野の山に咲くらん |
|||
師兼 | |||
2P745 | 白河七百首 | ||
野亭女郎花 | |||
庵むすぶ高野(たかの)の秋のをみなへし こころづからや露も置くらん |
|||
融覚 | |||
2P745 | 狂歌集 | ||
罪ふかき名にはたてれど女郎花 女人堂をも踏越えて咲く |
|||
唐衣橘洲 | |||
2P745 | 狂歌集 | ||
百合もその姫といふなにしほるるか | |||
夢林 | |||
2P746 | 不動坂口女人堂 絵 | ||
呼子鳥なくやゆかれぬ杉の奥 | |||
女 此葉 | |||
2P745 | 不動坂口女人堂 絵 | ||
柿むいて居るもあはれや女人堂 | |||
塊亭 | |||
2P748 | 狂歌集 | ||
日南の珠の霰(あられ)や女人堂 | |||
桂子 | |||
2P748 | 狂歌集 | ||
妹よりなみだは兄ぞ女人堂 | |||
原松 | |||
2P750 | 花折 児滝(ちごのたき) 絵 | ||
不動坂 其の二 絵 | |||
花折にて | |||
花躑躅あの世でさけと手折りけり | |||
高階 藤島 | |||
2P752 | 不動坂 其の三 絵 | ||
外の不動 万丈転 不動橋 | |||
山笑ふ てつとも 見えで 岩不動 | |||
拾栗 庵 | |||
2P752 | 不動坂 其の三 絵 | ||
外の不動 万丈転 不動橋 | |||
父母の聲かあらぬか呼子鳥 | |||
鬼蔦 | |||
2P752 | 不動坂 其の三 絵 | ||
外の不動 万丈転 不動橋 | |||
ぬきはなす扇子もすずし不動坂 | |||
イセ 免士 | |||
2P754 | 不動坂 其の四 絵 | ||
四寸岩 卒塔婆木 | |||
雉子鳴くや 父の跡ふむ 四寸岩 | |||
高野鉄子 | |||
2P757 | 不動坂 其の五 絵 | ||
桜茶屋 神谷辻 | |||
桜茶屋にて | |||
真盛の春をあざむく雪と雲 いつも桜の花の下茶屋 |
|||
浮輔 | |||
2P757 | 不動坂 其の五 絵 | ||
桜茶屋 神谷辻 | |||
すずしさや岩にしみこむ蝉のこゑ | |||
其角 | |||
2P758 | 不動坂 其の六 絵 | ||
河根村 千石橋 塩竃古跡 日輪寺 | |||
唐人□官 | |||
塩竃の あとめずらしみ たひびとも よそに見てやは とほる大臣 |
|||
2P758 | 不動坂 其の六 絵 | ||
河根村 千石橋 塩竃古跡 日輪寺 | |||
八月十五日高野の御山にたどりつきぬ 雨風いみじくて女人堂迄はかたければ 河根のさとにやどりて |
|||
結縁もとげす真如の月も見ず 河根にうらみはかずかずの夜や |
|||
女 物香 | |||
2P760 | 不動坂 其の八 絵 | ||
学文路 西光寺 物狂石 | |||
霧雨や槙たつ山のいくえより | |||
玉皋 | |||
3P3 | 大門 絵 | ||
あかつきをまつ寝仏や春の山 | |||
樗堂 | |||
3P5 | 文集 | ||
高野山うき世の外はなかりけり 八の谷すら八十のちまたを |
|||
3P10 | 時候 | ||
花までも心ありけり高野山 うき世の春をのぞきてぞ咲く |
|||
3P11 | 時候 | ||
ほととぎす初聲(はつこえ)よりも待たるなり 高野(たかの)の山の暁の空 |
|||
3P11 | 時候 | ||
高野山(たかのやま)仏法僧の聲をこそ 待つべき空になく郭公(ほととぎす) |
|||
3P11 | 時候 | ||
降る雪の積もればいとど高野山(たかのやま) うき世の道や隔てはつらん |
|||
飛鳥井栄雅卿 | |||
3P12 | 続千載 | ||
高野にまかりてよみ侍りける | |||
あかつきを高野の山に待つほどや 苔の下にも有明の月 |
|||
寂連法師 | |||
3P13 | 土室 絵 | ||
土室にて寒気を凌ぐところ | |||
土室に蕎麦の匂いやけふの雪 | |||
風枝 | |||
貴僧とも知らで御咄し申上尻こそばいよ | |||
高野六十 鯛ノ屋 貞柳 | |||
3P16 | 氷豆腐を製する図 | ||
あたたかなこほり味ふさむさかな | |||
対山 | |||
3P18 | 新勅撰 | ||
世をのがれて高野山に住み侍りけるときによめる | |||
高野山おくまで人の問ひこずば しづかに峰の月は見てまし |
|||
参議成頼 | |||
3P18 | 続後撰 | ||
高野にこもりてよみ侍りける | |||
今こそは高野の嶺の月を見て 深き御法(みのり)のほどもしるられ |
|||
源具親朝臣 | |||
3P18 | 玉葉 | ||
守覚法親王家五十首歌の中(うち)に 祝の心をよみ侍りける |
|||
君が代は高野の山の岩の室 あけん朝(あした)の法(のり)にあふまで |
|||
俊成 | |||
3P18 | 新続古 | ||
高野山(たかのやま)その暁をちぎり来て ここにも同じ月や澄むらん |
|||
僧正栄縁 | |||
3P18 | 月清 | ||
二夜百首歌の中(うち)に佛寺(ぶつじ) | |||
ながき夜(よ)に朝日まつ間の心こそ 高野(たかの)の奥に有明の月 |
|||
後京極摂政 | |||
3P18 | 拾遺愚草 | ||
建久五年夏仁和寺宮五十首の中(うち)に祝 | |||
きみが代は高野(たかの)の山にすむ月の まつらむ空に光そふまで |
|||
中納言定家 | |||
3P19 | 夫木抄 二十 | ||
あさ日まつ高野(たかの)の山にいかばかり 上なき道をさだめ入りけん |
|||
殷富門院大輔 | |||
3P19 | 千首 | ||
古寺月(こじのつき) | |||
まぐりあはん其暁のしるべせよ たかのの山のありあけの月 |
|||
師兼 | |||
3P19 | 建仁元年八月十五夜歌合 | ||
古寺残月(こじのざんげつ) | |||
これやこの残るひかりのかげならん 高野(たかの)の山の暁の月 |
|||
右衛門督通親 | |||
3P19 | 家集 | ||
高野(かうや)にこもりける頃山居の月のこころを | |||
世をいとふ深山がくれの住居(すまひ)には 月さへ雲のちりなかりけり |
|||
守覚法親王 | |||
3P19 | 草菴 | ||
のぼりては心の霧もはれぬべし 高野(たかの)の山の峰の嵐に |
|||
頓阿法師 | |||
3P20 | 雪玉 | ||
古寺朝(こじのあした) | |||
朝日かげ出づるやいかに高野山(たかのやま) まつ暁はすぎぬものから |
|||
逍遥院内府 | |||
3P20 | 家集 | ||
むすびおくいにし朽ちるめや高野山(たかのやま) その暁をまつの下露 |
|||
烏丸光廣 | |||
3P20 | 柏玉 | ||
さぞないかに其暁(そのあかつき)をちぎらねど 高野(たかの)の山にすめる夜の月 |
|||
後柏原院御製 | |||
3P20 | あとなしきしぐれをきくや高野山(たかのやま) | ||
鬼貫 | |||
3P20 | うぐひすに鳴きて見せけりみそさざい | ||
許六 | |||
3P20 | 雲の峰鬱々として谷の坊 | ||
淡々 | |||
3P20 | そのときのままか三鈷のまつの月 | ||
宋屋 | |||
3P20 | ほろほろと鳴く山鳥や露の玉 | ||
蕪村 | |||
3P20 | 稲妻や座禅のこころ引きてみる | ||
也有 | |||
3P23 | 山家集 | ||
寂然もみぢのさかりに高野(かうや)に詣で出でけるに またの年のはなのをりに申しつかはしける |
|||
もみぢせし高野(たかの)の峰の花盛(はなざかり) たのめし人のまたるるやなど |
|||
西行法師 | |||
同(山家集) | |||
かへし | |||
ともに見し峰の紅葉のかひなれや 花の折りにも思ひ出でけり |
|||
寂然法師 | |||
3P24 | 絵 後嵯峨上皇 養智院→櫻池院と改名 | ||
さくらさく木のまもれくる月かげに こころもすめる庭の池水 |
|||
後嵯峨上皇 | |||
3P26 | 続門葉 | ||
高野(かうや)の千日ごもりし侍りてのち、 一長者になりけるころ、 大塔のはなをおもひ出でて、 すみける高野の坊へよみてつかはしける |
|||
我山(わがやま)とおもはですぎしみとせだに あだに高野(たかの)の花をやは見し |
|||
前大僧正覚濟 | |||
つくづくと見て居ればちる櫻かな | |||
士朗 | |||
3P28 | 続門葉集 | ||
灌頂(かんじょう)とげて後に、 非冒地難得遇此教難也 (ひもうちなんとくぐうしけうなんや) といへる大師の御ことばおもひあわせられて、 たふとく思ひければよみ侍りける |
|||
なに事か世にうれしきと人とはば まことの法にあふとこたへむ |
|||
法印隆勝 | |||
かかるえにあはずばいかで濱千鳥 いまはたふるき跡を見ましや |
|||
法印道恵 | |||
3P29 | 壇上伽藍 絵 | ||
高野山あかつきをまつかねの音も いくよのしもにこえふりぬらむ? |
|||
心圓法師 | |||
むかしおもふ高野の山のふかき夜に あかつきとほくすめる月かげ |
|||
正三位知家 | |||
3P43 | 風雅 | ||
高野山(かうやさん)に登りて三鈷の松を見て | |||
これやこのもろこし船にのりをえて しるしを残す松の一もと |
|||
阿一上人 | |||
3P43 | 雪玉 | ||
廿四日草鞋をつけて諸堂順礼し侍れば、 大塔は柱ども立て心柱などきりて、 造作のあらましどもなり。 金堂はかたのごとくとりたてたるさまなるに、 三鈷の松むかしのはやけて、 その種生(みばえ)とて忌垣(いがき)しめぐらしたるを見て |
|||
今は其まつ暁やちかからん千とせふる木もおひかはりけり | |||
内大臣實隆公 | |||
3P43 | 謾吟集 | ||
いにしへの法のさかえをしたへとて 今もうゑつぐひともとのまつ |
|||
契冲 | |||
3P44 | 新千 | ||
題しらず | |||
鐘の音はあけぬと聞けど高野山(たかのやま) なほはるかなる暁の雲 |
|||
中務卿宗尊親王 | |||
3P45 | 柏玉 | ||
古寺鐘(ふるでらのかね) | |||
高野山(たかのやま)其(その)あかつきの鐘の音に うき世の夢や先(まづ)さめてまし |
|||
3P45 | 草根 | ||
古寺暁鐘(ふるでらのあかつきのかね) | |||
高野山(たかのやま)月こそはあれ岩の室 いでやむとほき暁(あかつき)のかね |
|||
正徹 | |||
たか野山なき身のかずにけふもまた もれてききぬる入相の鐘 |
|||
大納言光廣 | |||
3P50 | 千首 | ||
かねの音も今はと告げよ高野山(たかのやま) あかつきをまつの扉に |
|||
師兼 | |||
3P50 | 狂歌 | ||
湯にもなる物とてきけば煩悩の よごれを洗ふ暁の鐘 |
|||
唐衣橘洲 | |||
3P54 | 山家集 | ||
三昧堂の方へ分け参りて、秋の草ふりかはり、 鈴虫の音幽かにきこえてあはれなりければ |
|||
おもひ置きしあさちの露(つゆ)を分けいれば 纔(わづか)なるすずむしの聲 |
|||
西行上人 | |||
3P55 | 蓮池 | ||
来て見れば露(つゆ)にうつりて眼の玉の 佛ものりの池の蓮葉(はちすば) |
|||
拾栗山人 | |||
蓮の花おもしろがるは慮外なり | |||
支考 | |||
3P62 | 絵 丹生明神出現のところ | ||
あかつきはまだはるかなり高野山(たかのやま) なほもかかげよ法(のり)のともしび |
|||
丹生津姫 | |||
高野山(たかのやま)暁をまつ身なれども ふくるはをしき法(のり)のともしび |
|||
神(しん)歓喜して去(さり)給ひしぞ | |||
宥快師 | |||
3P65 | 谷上 | ||
天正十三仲秋の頃、金堂の御柱たてなど拝み奉るに、 | |||
所から人のたたずまひを見るに、 | |||
天上に生れ侍る心地して、 | |||
思の外久しく谷上に宿りける寝覚に | |||
かたしきの枕の下の谷水のおとに心もすめる夜の月 | |||
紹巴 | |||
3P68 | 絵 正智院 快雅 | ||
こけの下さこそと後(のち)の身をしれは 板間のあめのもるはものかは |
|||
快雅法印 | |||
3P73 | 山家集 | ||
さくらちるやどにかをれる菖蒲(あやめ)をば はなあやめとやいふべかるらむ |
|||
同(山家集) | |||
散るはなを今日のあやめのねもかけて 藥玉ともやいふべかるらむ |
|||
3P76 | 絵 興山寺 | ||
興山上人出塵のをり | |||
よしや世にいはねの小松としふとも まちみむもただこがらしの風 |
|||
3P78 | 巡寺八幡神幸の図 | ||
3P86 | 峻徳院 | ||
高野山(たかのやま)苔の下までむすびけり ときはが森の露のちぎりを |
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放鵬子 | |||
3P87 | 絵 光臺院 | ||
続千載 | |||
庵室の前に藤の花の咲きたるを見て | |||
光臺院 二品親王覚法 | |||
藤のはなわがまつ雲のいろなれば こころにかけてけふもながめつ |
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3P98 | 花折院 | ||
誰がために折るとかはしるさくら花 三世(みよ)の佛もゆるせ一枝 |
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明釋上人 | |||
折花(をるはな)にそへし言葉のいろ香こそ 世をふる寺の名に残りけれ |
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中納言爲綱卿 | |||
3P104 | 絵 金剛三昧院 硯 | ||
3P106 | 春川試草 上藏院 | ||
飛ぶものは秋の螢や奥の院 | |||
伊予 圓南 | |||
3P107 | 金剛三昧院 | ||
ふたつなきものと聞くこそうれしけれ 佛はさとり我は迷ふに |
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大納言爲兼 | |||
3P107 | 直義朝臣奉納短冊写 | ||
なにはづのみぎはの波ものどかにて いまははるべとかすみたつなり |
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尊氏 | |||
3P107 | むろのうちに光はみちてともし火の おのが影こそ又あらたなれ |
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直義 | |||
3P107 | さだめなきうき世の中としりながら なほあらましを思ふはかなさ |
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3P107 | から衣うらにかけける玉をなど しらで年月まよひ來ぬらん |
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重茂 | |||
3P107 | ふたつなきほとけの道としりながら わくるこころにまよひそめてき |
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為明 | |||
3P107 | つきにわが心のみちをさかすれば へだつと見つる雲もまよはず |
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顕氏 | |||
3P107 | せをはやみゆく水よりもほどなきは むなしくおくる月日なりけり |
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有範 | |||
3P107 | むまれあふみのりの道のうれしさよ 人の身をだにうけがたき世に |
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廣秀 | |||
3P108 | しら雪のつもるわが身のつみをだに 思ふもしらでふるぞはかなき |
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師直 | |||
3P108 | むつのみちめぐるもしらで見る夢の さめぬややみのうつつなるらん |
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行珍(土へん) | |||
3P108 | さてもさは佛のかたみのこし置きて いまの世までも法(のり)はたえせず |
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頼春 | |||
3P108 | りやう山(ぜん)にときおく法(のり)のあるのみか しやりの佛のすがたなりけり |
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尊氏 | |||
3P108 | ながき夜の月はしばしもくもらぬを ねぶりしうちの闇にぞありける |
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直義 | |||
3P108 | むらさめのおとはの山のほととぎす なく一聲はまがはざりけり |
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尊氏 | |||
3P108 | さつきまで後はとおもひしほととぎす 今だに聲のあかずも有るかな |
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為秀 | |||
3P108 | かりそめに雲がくれせし月かげの あとをぞてらす法(のり)のともし火 |
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行春 | |||
3P108 | ふきつたふわしの山かぜいつまでも にほひぞたえぬのりのはなぶさ |
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和氏 | |||
3P108 | つもりきてうき老(おい)となる月もなほ くもりなき世をたのまずはなし |
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道恵 | |||
3P108 | せわせけばふちとなるてふ山河の ふかきみのりの水はにごらじ |
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貞頼 | |||
3P108 | むつの道いつかはいでん小車(をぐるま)の わづかなる世にまたむまれぬる |
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爾藤 | |||
3P108 | しなじなにたつるみのりのくらゐ山 のぼりはててもわが身なりけり |
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慶雲 | |||
3P108 | むすびけるちぎりのほどもあらはれて さも聞きがたき法(のり)にあひぬる |
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重茂 | |||
3P108 | さとるべき心をほかにもとむるは やがてまよひのはじめなりけり |
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實性 | |||
3P109 | りうぐうにわかちをさめし玉のうちも そら行く月ぞみがきそへける |
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為明 | |||
3P115 | 轆轤峠 絵 | ||
化(ばけ)ものの轆轤峠にをうなたち くびさしのべて拝む壇場 |
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三寸美 | |||
3P117 | 美福門院御墓 | ||
續後撰 | |||
美福門院かくれさせたまひてのち、 高野のみやまに納め奉りける頃、 前大納言成通(なりみち)のもとより せうそこして侍りけるによめる |
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おくれゐて思ひやるこそ悲しけれ 高野の山のけふの御幸は |
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皇太后宮大夫 俊成 | |||
3P122 | 續後撰 | ||
高野に納め奉りける御おくりに、 袖にもみぢのちりかかりければ |
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なみだのかかるとおもふ墨染の そでの上にもふる木(こ)の葉かな |
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源 仲業 | |||
3P122 | 續世継物語 | ||
たれか又けふの御ゆきをちぎりおかむ 我さへかくて思ひきえなば |
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3P123 | 新今昔物語 | ||
引寄せて居ながらにむすぶ萱(かや)の庵 とくればもとの野原なりけり |
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覺心 | |||
おのづから心のすむか身のすむか 萱の下葉のあり明けの月 |
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法燈国師 | |||
おのづから心もすまず身もすまず 萱の下葉の露の月かげ |
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覺心 | |||
3P126 | 詠百首狂歌 | ||
苅萱 | |||
かるかやの世を秋かぜに打ちみだし しみじみとおこる道心 |
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入安 | |||
3P129 | 萱堂にて | ||
軒洩らぬ月もむかしに似さりけり | |||
日向 奇流 | |||
3P134 | 赤松院 | ||
享保五年の冬、当院にて 赤松(しゃくしょう)律師三五〇回忌の法筵を 開かれしとき、詠みてをさめたる 追福の詩歌のうち |
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いにしへをしのぶ心は高砂の 松より外にたれかしらまし |
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赤松則元 | |||
高砂の松の春風いまもなほ むかしをしのぶ聲残すらむ |
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藤原良雄 | |||
3P134 | 廿日大師 | ||
世にまよふうき雲もなし入月(いりつき)の かげをはつかにあふぎ見るより |
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3P136 | 来蔵院 | ||
来蔵院にて鶯の井など見侍りて。 むかし瀧口入道のこの寺にすみけるころ、 はやく身まかりしつまの横笛とか聞こえしが、 夢に見えることなど思ひ出づるままに |
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すみ染の袖や露けきよこ笛の うき一ふしをはるの夜の夢 |
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橘 易興 | |||
3P137 | 持寶院 | ||
約束の念佛は申すまで候よ やらうやらじは彌陀のはからひ |
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いにしへの鎧にまさる紙衣(かみぎぬ)は 風のいる箭もとほらざりけり |
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熊谷入道蓮生 | |||
3P140 | 千本槇 | ||
宿坊のいざなふままに千本槇を見にものして | |||
みよしのの一目千(ち)もとのさくらより 槇たつ山ぞとはにゆかしき |
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霊厳寺 無染 | |||
3P147 | 奥院 | ||
續後撰 | |||
高野にまうで侍るとき奥院にて | |||
世をすててすまれぬ身こそ悲しけれ かかる深山の跡をみながら |
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入道前太政大臣 | |||
3P147 | 續門葉 | ||
高野の奥院へまゐり侍るとて | |||
わけ來つる道こそあらめふる雪も なほ深くなる山の奥かな |
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法印覺基 | |||
3P148 | 雪玉集 | ||
おくの院へ詣づる道すがら、 ききおきしにもおもひやりしにも 過ぎたるあはれさありがたさになむ |
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ふりそふや天(あま)つ空なる雨もただ 袖の上なるけふの山路に |
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ちる花にたぶさ恥かし奥の院 | |||
杜國 (松尾芭蕉 門人) | |||
燕(つばくろ)のしらぬ軒ありおくの院 | |||
雪中庵 | |||
花を見た顔を泣かすや奥の院 | |||
野坡 | |||
3P149 | 一の橋 | ||
一の橋より御廟にいたるまで 左右に石塔のたちならぶを見て |
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立ちならぶ名もしら露のふる跡に傾く石の猶あはれなり | |||
光廣 | |||
石塔の大名小路(こうぢ)はる寒し | |||
雲裡 | |||
3P150 | 熊谷蓮生碑 | ||
名とげては櫻も蓮となりにけり | |||
一笛 | |||
平敦盛碑 | |||
そのぬしも青葉もふりて塚の霜 | |||
咸壹 | |||
3P151 | 玉川 絵 | ||
萩園歌集 | |||
樒つむたが衣手のしづくより ながれそめけん玉川の水 |
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積雪の縁や通ひて春の水 | |||
奇淵 | |||
3P152 | 玉川 | ||
風雅集 | |||
高野の奥院へまゐる道に、玉川といふ川の水上に、 毒虫の多かりければ、 此のながれをのむまじきよしをしめしおきてのちよみ侍る |
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忘れてもくみやしつらむ旅人の高野のおくの玉川の水 | |||
弘法大師 | |||
3P152 | 玉川 | ||
夷曲高野詣 | |||
珊瑚珠の砕くるさまや玉川の毒に散りこむ風のもみち葉 | |||
栗三世 | |||
姑射山(こやさん)の影のたま川に澄みにけり | |||
奇淵 | |||
玉川に高野(たかの)の花やながれ去る | |||
蕪村 | |||
わすれては医者も手を出すぬかるみかな | |||
来耜 | |||
3P154 | 蛇柳 絵 | ||
我目にも柳と見へて涼しさよ | |||
麦林 | |||
ともすればたけなる髪をふりみだし人の気をのむ風の蛇柳 | |||
栗陰亭 | |||
3P155 | 行基菩薩碑 | ||
年ふれど横にもならで居(すわ)りたる ぎょうぎ菩薩の堅き碑(いしぶみ) |
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拾栗山人 | |||
3P155 | 塊亭碑 | ||
碑陰に五橘亭風圭の銘あり | |||
霧となる香の薫や九百坊 | |||
塊翁 | |||
3P156 | 蛇柳 | ||
夫木抄 | |||
咲く花に錦おりかく高野山(たかのやま) 柳の糸をたてぬきにして |
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民部卿知家 | |||
吹くたびに水を手向くる柳かな | |||
朱冠 | |||
3P156 | 世南碑 | ||
背面に貫名氏(ぬきなうじ)の銘文あり | |||
はやあとになるただ今ぞ花盛(はなさかり) | |||
世南 | |||
3P157 | 中の橋 | ||
極楽をなかばは見たり橋の月 | |||
?雄 | |||
3P157 | 流汗(あせかき)地蔵 | ||
水無月ばかり流汗地蔵のみまへにて | |||
焦熱にかはる佛もあるものを 夏なきやまと何思ひけん |
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易興 | |||
世をすくふ汗ありがたき誓かな | |||
車光 | |||
3P160 | 覚鑁坂 絵 | ||
大師の供物を奥院に運ぶところ | |||
覚鑁坂にて | |||
ここにきて根来のむかし郭公 | |||
大坂 氷几 | |||
3P164 | 朝鮮役士之碑 | ||
高野山にて島津義弘朝臣の 建てられし韓軍の碑を見て |
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石文(いしぶみ)の昔思へば後の世の 印ぞくちぬ矛杉(ほこすぎ)のもと |
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藤原千廣 | |||
櫛鞭(くしむち)の貢絶えにしうれたみも はるくばかりの碑(いしぶみ)ぞこれ |
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出づる日の入る国かけて島津鳥 うもれぬ名をも立ちにけるかな |
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千歳へて苔はむすとも碑(いしぶみ)に 語りつぐ名はうもれはてめや |
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當年(そのかみ)をかけて思へばなく子なす うべも石蔓子(しまづ)の名におびえけむ |
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3P165 | 芭蕉墓(つか) | ||
父母のしきりに戀し雉子(きじ)の聲 | |||
芭蕉翁 | |||
3P166 | 石清水(いわしみず) | ||
高野山(たかのやま)たのむ心の深ければ あさき岩井もくみはつきせじ |
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3P167 | 十八景 | ||
むすびおくえにしくちめや高野山(たかのやま) そのあかつきを松の下露(したつゆ) |
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放鵬子 | |||
(P119) | (近世歌文集 上 新日本古典文学大系 参照) 大師が弥勒出世の暁を待って入定していらっしゃる奥の院に、 母の遺髪を埋葬して結ぶこの仏縁は、 決して空しいことはないであろう。 やがてわが身もこの地に葬られることを願って。 「そのあかつき」は、弥勒出世の時をいう歌語。 「松」と「待つ」を掛ける。 |
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3P167 | 狂歌太平楽 | ||
木食上人を拝し奉りて | |||
網にいれて誰かかうやの木食ぞ 鼠衣で木實(このみ)かぢるを |
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玉雲斎貞右 | |||
3P168 | 山家集 | ||
おりびつに花のくだものつみてけり よし野の人のみやだてにして |
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西行 | |||
はつものの飛脚つきたり春のくれ | |||
曲坡 | |||
3P169 | 続千載 | ||
冬のころ後入道法親王 高野にこもりて侍りけるに おくりたまひける |
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ふる雪は谷のとぼそをうづむとも 三世(みよ)の佛の日やてらすらん |
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崇徳院御製 | |||
3P169 | 続千載 | ||
かへし | |||
てらすなる三世(みよ)の佛の朝日には ふる雪よりも罪やきゆらん |
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覺性法親王 | |||
3P169 | 続拾遺 | ||
入道二品(にほん)親王 高野(こうや)に こもり侍りけるころ つかはしける |
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いかばかり高野(たかの)の奥のしぐるらん 都は雲のはれ間だになし |
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中務卿宗尊親王 | |||
3P169 | 続拾遺 | ||
かへし | |||
しぐるらん都の空におもひしれ 高野(たかの)は雪の雲ぞかさなる |
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入道二品親王性助 | |||
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