史跡 黒塚古墳は、奈良県天理市にある。
古墳時代前期(3世紀後半)の古墳で、墳丘の主軸を東西方向に置き、後円部を東にする前方後円墳である。
後円部の調査では、南北方向の竪穴式石室が検出され、発掘調査当時の写真が後円部墳頂の説明板で見ることが出来る。
また、古墳の東側にある天理市立黒塚古墳展示館では、復元された竪穴式石室と三角縁神獣鏡が展示されている。
竪穴式石室は南北長さ約8.3m、北小口幅は約1.3m、南小口幅は約0.9m、高さ約1.7mである。
石室規模は全国第4位の規模で、特に墳丘の規模の比較からすると巨大な石室が作られていたことになる。
石室の構造は、下部を3~4段が人頭大の自然石を積み上げ、この上部から天井部までは板石により強く持ち送りながら壁面をつくっている。
このため板石で積まれた壁面は、断面が三角形状を呈する合掌式の竪穴式石室であることがわかった。
石室内には、南北長さ約6.2m、幅約1mの粘土で作られた棺台が置かれていた。断面はU字形であることから、本来は割竹形木棺がこの上に置かれていたと考えられる。ほぼ中央部は鮮明な朱色で、分析の結果水銀朱が付着していた。
石室に残された遺物は盗掘を免れ、平成9年、10年の調査で、埋葬された当時のまま出土している。
棺内の遺物は画文帯神獣鏡(がもんたいしんじゅうきょう)1面が立った状態であり、その両脇からは刀剣が2振り置かれていた。
棺外では33面の大量の三角縁神獣鏡が、棺と壁面の間、及び北小口に立てかけるように置かれていた。また刀剣類、鉄鏃、槍などが出土している。
平成13年(2001)に国史跡に指定されている。
JR桜井線柳本駅下車、徒歩5分。国道169号線沿いに駐車場があり、駐車場から徒歩5分。
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