楠木正行墓(小楠公墓所)は、大阪府四條畷市雁屋南町にある。
正平3年(1348)1月5日、四条縄手の合戦で、足利尊氏の武将高師直の大軍に敗れて自害した楠木正行の菩提墓である。
正長2年(1429)に祀られたと伝えられ、大阪府の指定史跡となっている。(指定名称は「伝楠木正行墓」)
また樹齢約590年の樟の大木が植えられている。樟樹は幹回り12m、高さ25m、枝張り最大径40mで大阪府の天然記念物に指定されている。
貝原益軒の「南遊紀行」には次のように記されている。
「畑の茶屋のかい道より、四町ばかり西に、刈屋村有、此所に楠正行、正時兄弟の墓あり、
大道のほとりにはあらず、小石碑を立、大なる楠木あり」
「かい道」は、東高野街道で、江戸時代までは「楠塚」と呼ばれていた。
明治時代に墓域が拡張され、明治11年(1878)に「贈従三位楠正行朝臣之墓」(題字は大久保利通)と刻んだ石碑が建てられた。
当地以外にも6か所、楠木正行の墓と伝えられる所がある。
京都市右京区の宝筐院、東大阪市の往生院、宇治市の正行寺、伊丹市の本泉寺、鹿児島県薩摩川内市の甑島、東大阪市山手町である。
JR片町線四条畷駅下車、徒歩10分。