旧堺燈台は、堺市堺区大浜北町にあり、国史跡に指定されている。
1877年に建築された六角錘形の建物で、建築当初の場所に現存する木造洋式燈台としては、わが国最古のものである。
イギリス人技師ビグルストーンの設計で、土台の石積は、旧堺港の港湾整備に合わせて、備前国出身の石工・継国真吉が、また建築工事は堺在住の大工・大眉佐太郎が担当し、灯部の点灯機械は、フランスのバービエール社のものが輸入された。建築資金約2,500円は、堺の人々の寄付と堺県(当時)からの補助金で賄われた。
その後約100年間、船の安全を見守ったが、沖に向かって広がる埋め立てのため、その役目を果たさなくなり、1968年に廃灯となった。
2007年に完了した保存修理工事では、大浜一帯がにぎわった明治時代末から昭和初期の燈台の姿に復元整備された。
燈台の対岸には、中世の港の様子が描かれた日本最大級の巨大壁画(幅155m、高さ11m)がある。
南海電鉄南海線堺駅から徒歩15分。東側の大浜公園に有料駐車場がある。(Y.N)