黄檗山萬福寺は京都府宇治市五ケ荘にある黄檗宗の総本山である。
寛文元年(1661年)妙心寺の竜渓性潜(りゅうけいしょうせん)が、明から渡来した隠元隆琦禅師(いんげんりゅうきぜんじ)のため、徳川家綱らの援助を得て堂宇を創建し、
隠元が住していた中国福建省の黄檗山萬福寺の寺号をとって萬福寺と称した。
第14世と第17世を除いて、代々、中国からの渡来僧が住持となってきたが、第22世格宗浄超以降は日本僧が住持となっている。
山内の堂宇はすべて明の様式を模しており、山門、天王殿、大雄宝殿、法堂(はっとう)が直線上に並んで中核をなし、左右に諸堂を配する構成となっている。
本尊釈迦如来坐像及び脇侍阿難(きょうじあなん)、迦葉(かしょう)などの諸像は、国の重要文化財に指定されている。
法堂の勾欄には、「卍字崩し」と呼ばれる独特の木組みが用いられている。
普茶料理とよばれる精進料理が伝えられており、10月中旬には普度勝会と呼ばれる中国祭が行われる。
JR奈良線、京阪宇治線黄檗駅下車、徒歩5分。参拝者用の駐車場がある。