松本峠は、三重県熊野市木本町にある熊野古道伊勢路の峠である。
船人の目印とされた巨大な老松があったのが地名の由来といわれる。
大泊駅から徒歩10分ほどで、松本峠の登り口に着く。
登り口には、杖が用意されており、石積が美しい石畳の道を20分ほど歩くと、鉄砲傷で知られた地蔵がある。
江戸時代、元禄の頃鉄砲撃ちの大馬新左衛門が夜中に峠に差しかかると、月下に得体のしれないものが立ちはだかってきた。
思わず発砲し命中したが、近づいてよく見るとそれはこの峠のお地蔵さまであったという。足元裏側には、鉄砲の傷が残っている。
峠から、東の鬼ケ城に向かうと、途中の東屋からは七里御浜が一望できる。
鬼ケ城城跡から鬼ケ城へと下る道には「鬼の花見坂」と呼ばれる桜の並木道があり、春はソメイヨシノなどが咲き、絶好のハイキングコースとなっている。
JR紀勢本線大泊駅から徒歩約30分。乗用車の場合は、国道42号線沿いの「くまのパーキング」の駐車場を利用する。(Y.N)