三船神社

三船神社は、和歌山県紀の川市桃山町神田(こうだ)にある神社である。
本殿の祭神は、木霊屋船神(こだまやふねのかみ)、太玉命(ふとだまのみこと)、彦狭知命(ひこさちのみこと)で、摂社には、丹生都比売命(にうつひめのみこと)、高野御子神が祀られている。
太玉命は、高御産巣日神(たかひむすひのかみ)の子で、重要な祭具の創造神である。
彦狭知命は、太玉命の孫 天富命に率いられて山から木を伐採して、神武天皇の正殿を造営したことから楯縫い、木工の神として知られる。
「日本三代実録」貞観三年(861)七月二日条に「授紀伊国正六位上御船神従五位下」とあることから、平安時代にすでに創祀されていたと考えられている。
古来、高野山領荒川(安楽川)荘の鎮守社として、荘内の黒川(現紀の川市桃山町黒川)に鎮座していたが、その後善田(ぜんだ)の奥宮、神田の中宮、古宮を経て、神田の現在地に遷座したといわれている。
紀伊続風土記などでは、当社は天正19年(1591)前後に応其上人によって現在地に移されたと考えられてきたが、
本殿棟札に下遷宮、上遷宮と記されており、天文年間の造営記録「青帳」の記載から、天文5年(1536)に現在地に遷座した可能性も指摘されている。

境内の階段上には、木造檜皮葺三間社流造の本殿と、木造檜皮葺一間社隅木春日造の摂社 丹生明神社本殿、高野明神社本殿がある。
当社には多くの棟札が残されており、この棟札から本殿は天正18年(1590)、摂社2棟は慶長4年(1599)に造営されたことがわかる。
各社殿とも、虎、龍、天女などの彫刻と極彩色が施されており、昭和44年(1969)に国の重要文化財に指定されている。
JR和歌山線下井阪駅下車、徒歩20分。



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