御剱大明神神社は、和歌山県橋本市にある神社である。
かつては代官所跡にあった伊都地方事務所や橋本町役場の前にあったが、
区画整理事業に伴い、紀陽銀行は橋本支店の西側に移転した。
いつ頃からこの地に奉祀されたか、文献もなく明らかでないが、
一対の燈籠の竿部に「嘉永元年(1848)戊申(ツチノエサル)十一月日 一色孫左衛門義隆」
「嘉永元年(1848)戊申十一月日 木村喜太郎永成」の銘が刻まれている。
一色家と木村家は東家に住んでおり、この二人が浄財を寄進したものである。
また一対の狛犬台座に「嘉永二年己酉(ツチノトトリ)五月」の銘があり、施主等の名が刻まれている。
高野山を往還したり、橋本町と取引のあった大阪の人々も名を連ねている。
当地は伊都郡の代官所(橋本御殿)のあったところである。
神社は、大正初期に古佐田の丸山公園に移されたが、昭和初期に信仰者の有志によって現在地に戻され、
昭和20年(1945)に戦後の復興と橋本町の発展を祈念して、当時の橋本町長平野熊太郎などの努力で、新しい社を造り、盛大な遷宮式が挙行された。
南海高野線橋本駅下車、徒歩10分。