本薬師寺跡は奈良県橿原市城殿町にある国の特別史跡である。
日本書紀によると、本薬師寺は、680年に天武天皇が皇后(持統天皇)の病気平癒を祈念して発願した寺である。
その後創建に着手されたが、完成を見ないうちに天皇が死去したため、持統天皇がその遺志を継ぎ、17年後の698年に伽藍がほぼ完成した。
当時は薬師寺として飛鳥大寺の一つに数えられたが、平城遷都に伴い、718年に寺も右京六条二坊に移された。
寺が移転した後も、平安時代中頃まで伽藍の存在が確認でき、その頃には、平城京の薬師寺に対して、本薬師寺と呼ばれるようになった。
現在は小堂とともに、金堂、東塔、西塔の基壇と礎石が残されている。
史跡周辺の休耕田1.4haでは、地元の農家などでつくるまちづくり団体「城殿町霜月会」がホテイアオイ約1万4千株を栽培している。
8月下旬から9月中旬にかけて、薄紫色のホテイアオイの花が一面見頃となる。
近鉄橿原線畝傍御陵前駅から徒歩10分。