紫式部歌碑(清水好子撰)は、福井県越前市の紫式部公園にある。
実践女子大学本「むらさき式部集」をもとにした歌碑には、次のように記されている。
としかへりて、「から(唐)人見にゆかむ」といひたる人の
「春は解くるものといかで知らせたてまつらむ」といひたるに
春なれど
しらね(白嶺)のみゆき
いやつもり
とく(解く)べきほどの
いつとなきかな
むらさき式部
(意味)
気が変わったら「宋の人々を見に行きます。」と言っていた人が、
「春になれば氷は解けるもの。そのようにあなたの心もうちとけるものだということを教えてあげたい。」と言っていたけれど、
「春にはなりましたが、白山の雪はいよいよ積もって、おっしゃるように解けることなんかいつのことかわかりません。私の心も同様です。」
この歌は、長徳3年(997)の紫式部とやがて結婚することになる藤原宣孝との贈答歌である。
当時、敦賀に来ていた宋国の人々に会うことを口実に、越前に下向してでも結婚を申し込みたいとという宣孝に、
紫式部は、加賀の白山に積もる雪を詠み込んで、私の心は解けませんと拒絶している。
加賀の白山は、標高2702mの雪で名高い歌枕で、白山が越前市からも眺められることは、地元の人々にもあまり知られていない。
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